倉敷市子育て支援センターで「言葉のはなし」をします

こんにちは、令和4年度が始まりましたね😊

令和3年度は度重なる臨時休館で利用者様にはご迷惑おかけいたしました。

ご理解とご協力ありがとうございました。

令和4年度も言語聴能訓練室をよろしくお願いいたします。


倉敷市子育て支援センターで「言葉のはなし」をさせていただきます。

    日時:4月12日(火) 10:30~11:30

    場所:くらしき健康福祉プラザ3階 和室

    定員:5組

  申し込み:倉敷市子育て支援センター(プラザ内)に来所にて

       お申し込みください。

お問い合わせ: 倉敷市子育て支援センター 

        TEL 086-434-9865

子どもが友達の吃音に気付いたら

吃音があるといじめられる?

 吃音があることが周囲に気付かれると、子どもがいじめられてしまうのでは?とご相談を受けることがります。

 事実、吃音でからかいやいじめをうけて深く傷ついた方は沢山いらっしゃいます。 そういった悲しいいじめが今後起きないようにするためには、まず大人が正しい知識を持ち「からかいやいじめを許さない」ことです。そして周囲の子ども達にも正しく吃音について伝えていく事が重要です。(吃音のお話①

子どもが友達の吃音に気付いたら

 吃音の話し方は、わざとではないので「真似しない」「笑わない話し終えるのを待つ」の指導を徹底しましょう。

 6歳で、ほぼ100%の子ども達が相手の言葉がつっかえることに気付いている事がわかっています。

 また別の研究では、吃音の話し方を見た際に、子ども達はつっかえた話し方に気付いてどう反応したらいいか分らず「笑ったり」「戸惑う仕草」をしたそうです。

 子ども達が早くに吃音の話し方を聞き、正しい知識や接し方を学ぶことで差別や偏見を持たず成長することにつながります。

なんで〇〇君は「おおおおはよう」ってなるの?

 子どもに「〇〇くんって“おおおおはよう”っていうんだよ 😮 」と素朴な疑問を投げかけられた際は、周囲の大人はしっかりその疑問に耳を傾けて話を聞いてあげてください。

 疑問を口にしたことで「そういう事を言わないよ」と注意する必要はありません。注意や話を逸らすことで「“おおおおはよう”ってなるのは良くないことなんだな 🙁 」と感じさせてしまう恐れがあります。

 答え方の例

  「そうなんだね、時々“おおおおはよう”ってなるんだね」

  「“おおおおはよう”ってなるお友達もいるんだよ」

  「なんでなるかは分からないけど、わざとじゃないよ」

  「言いたいことが言えるまで待ってあげてね」……など

 「そういう話し方もある。」「わざとではない。」「悪い事やおかしい事ではない。」というメッセージを伝えられるといいですね。


関連記事

吃音④子ども達が受けたい支援(指導者向け)

参考論文

伊藤智彦 構音,流暢性に対するメタ言語知識の発達 音声言語医学36(1995)

食べる③玩具しゃぶりは自食の準備

前歯が生えてくる時期になると、お口を左右非対称に動かしてモグモグするようになってきます。
これは、食べ物をすりつぶす動きが出来るようになってきたサインです。

このサインが出始める頃は、玩具しゃぶりや玩具噛みが盛んになってきます。
大きめの食べ物を自分で手づかみで食べようとするしぐさも見られるようになるでしょう。

色々な形、硬さ、味のあるものを舐めたり噛んだりする事で食べられるものと食べられないものを知っていきます。
また、どのくらいの量を入れても大丈夫なのかも試行錯誤して学習していきます。
他にも、お口の中に硬いものが入ってきた時に過剰に反応をしなくなるための練習でもあります。

まだまだ、食べ物を口の中に詰め込んで窒息の危険があったり、誤って食べてはいけない物を飲み込んでしまったりする事がある時期なので
赤ちゃんから目を離してはいけませんが、できるだけ「自分で!」を大切にしてあげていっぱい経験をさせてあげてくださいね。


関連記事:発音を育てる(舐める食べる)食べる②指しゃぶりは哺乳の準備

参考書籍:金子芳洋ほか,上手に食べるために(発達を理解した支援),医歯薬出版株式会社,2005

食べる②指しゃぶりは哺乳の準備

指しゃぶりはお腹の中にいる頃から始まっています。そして、生まれてから必要な栄養であるミルクを飲むための大切な練習です。
しかし、永久歯が生え始める5歳ごろになっても指しゃぶりをしている場合、前歯だけでなく奥歯の歯並びや顎の成長にも影響が出てくることがあります。
その結果、食べ物を飲み込む時に普通はしない舌を出しながら飲み込む動きがでたり、口呼吸が多くなり風邪をひきやすくなったりする影響もあります。

指しゃぶりはいつから対応したらいい?
3歳までの生理的な指しゃぶりは見守って大丈夫だと言われています。
3歳を過ぎて保育園や幼稚園に入ると生活環境が大きく変化することで、自然と指しゃぶりが減ってくる子もいます。
しかし、環境の変化に不安を感じて指しゃぶりの頻度が増えてしまう子もいます。
その場合は、指しゃぶりではなくその子の不安を軽減する為に、ご家族や園の先生と様子を観察してあげてください。
3歳から5歳くらいの間に徐々に減ってくるようならのんびり成長を見守ってあげましょう。
ただ、5歳以上になってもよく指しゃぶりをしているようなら、小児科医師や歯科医師にも相談してみましょう。

無理のない目標設定で

お家では、好きなテレビを見ている時間は指しゃぶりをしないようにぬいぐるみやお人形を両手で抱っこしてみる。
寝かしつけの時間は、お父さんやお母さんと手を繋いで寝る。
1週間の間に2~3日指しゃぶりをしていない。 などなど…
出来る範囲での目標を決めて、出来たらカレンダーにシールやスタンプを押すなど目標がクリアできたことを子どもの目で見て分かる様に工夫してあげましょう。
ゆっくり、焦らず自信をつけてあげつつ指しゃぶりからの卒業が出来るといいですね。


参考書籍:金子芳洋ほか,上手に食べるために(発達を理解した支援),医歯薬出版株式会社,2005

食べる①

 

 

 

 

 

 私たち、言語聴覚士は「話すこと」や「聞くこと」などのコミュニケーションに障害を持った人や「食べること」に障害を持った人に対して、検査や回復するためのリハビリテーションを一緒にしていくことを仕事としています。

 ことばの育ちには、口や舌、唇を動かすことが密接に結びついています。以前「発音のお話③」や「発音を育てる(食べる)」でも書いていますので是非読んでみてくださいね。

 正しい発音をする為に必要なお口の中を刺激したり、舌を思い通りに動かす練習を毎日できる場面。それは「食事」です。
 食事で、お口を動かすたくさんの経験を子どもにさせる為に、赤ちゃんが食べる準備の為にしている事やお口の中の環境をより良く保つためにできる事。また、食べる事の成長を見ていくポイントを次回から書いていきたいと思います。

ことばあそび⑫糸電話

子どもは「大きい声を出さないで」と言われてもどうすればいいのかピンときにくいものです。

そこで、自分の話している声の大きさを意識する機会として今日は【糸電話】をしてみたいと思います。

離れているとつい大きな声を出したくなってしまいますが、普通の声の大きさでお話するように声掛けしながら遊んでみましょう。

ついでに、新型コロナ感染防止のために、言われているのはソーシャルディスタンス。

その距離はだいたい2メートル

大人なら、なんとなく「これくらい」と分かりますが、子ども達には、まだまだ難しいので、遊びの中で「これくらいの距離」と教えてあげられるといいですよね。

 

【ねらい】

1)糸電話から聞こえる声の大きさを意識、調整する。

2)順番に話す。

3)聞くこと、伝えることを意識する。

4)ソーシャルディスタンスの距離を知る。

【対象】

年長(年中以下の子は糸をなくして電話ごっこで楽しめます。)

【用意するもの】

紙コップ(2個)糸(2メートル)、針(糸を紙コップつける際に利用)

糸 を 固定 する 爪楊枝(1本を半分の長さにして使用)

*爪楊枝がないときはセロテープで貼る。

【作り方】

①糸を外側から、紙コップの底の中心に針で通し、糸の先に半分にした爪楊枝を結びつける。

②糸の反対側の先ももう1つの紙コップに同じように固定する。

⭐ 作り方検索一覧外部サイトに移動します) 

ことばあそび 【いとでんわ】

【できるにんずう】

2人

【やりかた】

①いと が ぴん と はるように、はなれて たつ

②はなす ひと は くち に かみこっぷ を あてて はなす。きくひと は かみこっぷ に みみ を あてて きく。

はり は ささると ケガ を するので

おうち の ひと と つくりましょう。

 

 

 

 

じゅんばんに、はなしてね。

                                    来

 

糸が くびに巻き付いたり、大きな声をだしすぎたりしないように気をつけて遊んでくださいね。

糸電話が難しい子は、コップだけもって電話ごっことして遊ぶだけでもたのしいですよ。

これからのブログの参考にしたいと思います。
よろしければ、メールフォームから感想をお寄せください。

「おもしろかった。」
「簡単すぎた。」
「こんな、遊びを知りたい。」
どんな些細なことでもひとことでもうれしいです。お待ちしています。

キーワード
#家 #遊び #おうち遊び #ことばあそび #はつおんあそび #発音 #感覚相談事業 #言語聴覚士 #ST #小児

 

令和4年新年のごあいさつ

あけましておめでとうございます。

 令和4年は穏やかな年でありますように。

 そして、少しでも皆さまのお力になれるよう、今後も研鑽を積んでいきたいと

 思います。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします 。

 言語聴能訓練室 スタッフ一同

発音をそだてる(食べる)

こんにちは

もうすぐクリスマスですね!

 

 

 

以前 発音のお話発音を育てる生活動作と遊び でもご紹介した正しく発音する為に、必要なお口の中の感覚を刺激したり、舌を思い通りに動かす練習を楽しく行う為に「噛むこと」「なめること」とご紹介しました。

それが、一度にできることと言えば食事です!

そこで、凍らせたフルーツをおやつにしてみるのはいかがでしょうか?

一口大に切ったバナナやイチゴをバットやタッパに並べて凍らせてから美味しく食べる。

それだけです。(小さなお子さんは、生のフルーツを冷やすだけ)

凍ったフルーツを右の頬、左の頬に移動してみましょう。いつもより硬いフルーツを噛んだり、お口から出てこないように、口をしっかり閉じたりすることで発音に必要な部分をしっかり動かすことが出来ます。

そして、冷たいことで口のどこにあるかをしっかり意識することが出来ます。

おいしくお口の運動をしてみてください。

丸飲みや窒息などの危険があるので食べている間は目を離さず安全に気を付けて美味しく食べてくださいね。

ブドウなど、小さいものでも丸くてつるんとしたものは誤って丸飲みしやすいので必ず半分に切ってから凍らせましょう。

コミュニケーションを豊かにするために②

今回は、気持ちのことばを育てる、気持ちのことばを伝えるについてお話します。

気持ちの言語化ができると感情のコントロールにつながっていきます。

定型発達で3歳くらいの言語能力で気持ちのことばの表現ができます。(個人差はあります。)

こどもがことばを使わなくても、表情や態度で思っていることは大体わかりますが、お互いに気持ちを伝え合うことが、コミュニケーションUPにつながります。

気持ちのことばとは、姿かたちをもたない抽象語のことです。

例えば、たのしい、すき、うれしい、きらい、おどろく、こわい、かなしい、さびしい、おどろく、こまる、はずかしい 等です。

 

ことばで伝えるのが、出来ないお子さんには、同じ表情をまねっこしてもらう などいろんな表現をしてみてはどうでしょう。(どんなかお 参照してください。)

あそびをきっかけにお子さんがいろんな気持ちに気付くといいですね。

ポイントは、伝えたい意欲を高めること、聞き手がしっかり待つことです。

(伝えたい気持ちについて 詳しくは お話をする力の3要素を参照ください )

好きな絵本やテレビを見ているときに、登場人物の立場になって、気持ちのことばを聞かせて(代弁)あげてください。

例)

おとな「うさぎさん わらってる?たのしい?かな?」

こども「たのしい」

おとな「ぞうさん、ひとりだね。かなしいかな?さびしいかな?」

こども「かなしい。ひとりいや。」

おとな「ぞうさん、かなしいね、ひとりいやだね。」

まずは、いろんな気持ちを育てて、お互いにに伝えていきましょう。

 


参考書籍:湯汲英史,子どもが伸びる関わりことば26 ー発達が気になる子へのことばかけ,2006

湯汲英史,小倉尚子,一松麻実子,藤野泰彦:発達障害のある子どもと話す27のポイント わかりたい気持ちを高めるために,かもがわ出版,2011

コミュニケーションを豊かにするために① 

今回は要求することについてのお話です。

要求はコミュニケーション発達の初めの段階にみられる重要な能力です。

要求には、意欲(~したい気持ち)が伴います。1歳頃から興味の幅が広がり、

2~3歳になると、「~したい」気持ちが増え、たくさん要求するようになります。

要求の多いこどもとはやりとりの回数も増えますよね。

こどもの要求が少ない、自発的な言動が少ないことを心配されている方は、

日常場面で理解できている状況をあえて不完全な状態にして、こどもがどんな反応をするか、様子をみて(観察する)はどうでしょうか? 

要求方法は指さしでもことばでもOK。こどもの意図をよみすぎず、要求がでるのを待ってあげることがポイント。

とはいえ、気持ちが強すぎるとお互いに待てないことはあります。

例えば、食事の時にスプーンを用意し忘れる とか?

こども「!!…。ママ」

ママ「なに?」

こども「(スプーン)ない。」

ママ「ないね?スプーン?」

こども「うん。」

ママ「スプーンいる?」

こども「スプーンちょうだい。」 (ジェスチャーでも問いかけに反応すればOK)   

ママ「よく気付いたね。教えてくれてありがとう。(スプーン)取ってくるまで待っててね。」

こどもの自発的な気づきや言動を褒められる、要求が達成されることが良い経験となり、次の活動力Upへとつながることがあります。

ことばに限らずいろんな要求や返答することを目標こども自身が考える大人は要求を待つなどの状況をつくって楽しくやりとりしてみてください。

 


参考書籍:

湯汲英史,子どもが伸びる関わりことば26 ー発達が気になる子へのことばかけ,2006

湯汲英史,小倉尚子,一松麻実子,藤野泰彦,発達障害のある子どもと話す27のポイント わかりたい気持ちを高めるために,かもがわ出版,2011