年中さんの発達のめやす(支援者向け②)

年中児の成長は日々大きく、保護者や保育者にとって「気になるけれど、相談するほどなのか判断が難しい」という場面が多くあります。

特に発音や手先の動き、集団でのやり取りは個人差が大きく、見守るべきか専門機関に相談すべきか迷いやすい領域です。園で子どもたちを支える先生方に向けて、年中さんの発達のめやすや相談する際のポイントを考えていきたいと思います。

発音の発達で気をつけたいポイント

4〜5歳は カ行・サ行が安定してくる時期 です。かわいらしい言い間違いが残ること自体は自然ですが、次のような場合は相談を勧めるタイミングになります。

  • 5歳が近づいてもカ行・サ行がほとんど出ない、または不安定なまま
  • 話し方がぎこちなく、はみがき・うがい・シャボン玉などの吹く遊びが苦手
  • 園生活でも聞き取りにくさが続き、本人も言いにくさを気にしている

発音に関しては、まず言語聴覚士や幼児指導教室に相談し、必要に応じて家庭での関わり方やお口の動きを育てる遊びを相談後に取り入れていくことが大切です。園としては、早めに相談につなげることで、年長での練習や就学に向けた準備がスムーズになります。

手先の発達から見えるサイン

手先の不器用さは、就学後の書字のつまずきにつながることがあります。次のような様子が続く場合は、発達の偏りが隠れている可能性があります。

  • ハサミを極端に嫌がる、または使い方が分からない
  • お絵かきを避ける、筆圧が極端に弱い
  • 食事動作が幼く、こぼすことが多い
  • ボタンやファスナーの操作が難しい

「やりたがらない」だけでなく、“やろうとしてもできない” 印象がある場合は特に注意が必要です。

やり取り・社会性の気になるポイント

集団生活が本格化する年中では、コミュニケーションの特徴がみえやすくなります。

  • ルールのある遊びを極端に避ける
  • 自分の気持ちを言葉にするのが難しい
  • 会話の順番が分からず、一方的に話し続けてしまう
  • 友達とのやり取りでトラブルが多い

これらは性格だけでなく、発達の特性が関係している場合があります。

 

どのような相談先がある?

年中の今は、次のような機関に相談を始めるのに適した時期です。

  • かかりつけ小児科
  • リハビリ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)のいる医療機関
  • 幼児指導教室
  • 市町村の発達相談窓口

園としては、

「気になるところが少し続いているので、一度専門の先生に見てもらうと安心ですよ」

といった、保護者が受け取りやすい言葉がけをしていただきたいです。


参考サイト

発達障害教育推進センター

文部科学省

子ども家庭庁乳児検診に関する取り組み

年中(4〜5歳)は大きく伸びる時期,園の先生の気づきが大切です。(支援者向け①)

 

年中(4〜5歳)は、子どもの発達が大きく伸びる時期です。 友だちとの関わりが増え、ことばや生活動作も整ってくるなど、多くの力が育ち始めます。 一方で、周囲との差が見えやすくなる時期でもあり、集団での指示が通りにくい、友だちとの関わりが難しい、生活動作に時間がかかる、発音が気になるなど、日々の保育の中で「少し気になる」場面が出てくることもあります。

 

子どもたちの生活を一番近くで見守っている園の先生の気づきが、発達を支えるうえでとても大切です。私たち言語聴能訓練室を含む他多職種は、先生方の気づきを受け取りながら、一緒に子どもたちを支えていく存在でありたいと考えています。
こうした気づきがあったとき、年中のうちに相談につながることがとても大切です。 年長になってから動き始めると、就学までに必要な支援につながりきれないケースも少なくありません。

年中で相談につながることで、年長の1年間を「就学に向けた準備期間」としてしっかり活用できます。 幼児指導教室や医療機関での評価をもとに、子どもに合った支援を多職種で検討し、リハビリや療育機関の利用など、必要なサポートを受けながら小学校入学を迎えることができます。

また、専門機関とつながることで、子どもの得意・苦手を客観的に知ることができ、園・家庭・医療、支援機関が同じ方向を向いて関わることが可能になります。 年中は、発達の伸びとつまずきの両方が見えやすく、就学準備を始める最適なタイミングです。

 

園の先生の気づきは、多職種との連携につながり、子どもたちの未来を一緒に支えていく大切な一歩になります。


参考サイト

発達障害教育推進センター

文部科学省

子ども家庭庁乳児検診に関する取り組み

 

お子さまに合った学級を選ぶために(倉敷市版)

お子さまに合った学級を選ぶために(倉敷市版)

小学校入学を控えたお子さんがいらっしゃる保護者の方は、進学についていろいろ準備を始められる頃だとおもいます。

そこで、今日は【通常級】【通級指導教室】【特別支援学級】について簡単にお話したいと思います。

小学校や中学校には、いくつかの学級の種類があります。どれが良い・悪いではなく、お子さまが安心して楽しく過ごせる環境を選ぶことが大切です。

そもそも、通級って?支援級って?何がどう違うの?という方も多いかと思いますので、豆知識くらいの気持ちで読んでいただければと思います。

【通常級】
一般的な学級で、1クラスは40人ほど(小学1年生は35人)。学校の決まったカリキュラムにそって授業が進みます。困りごとがある場合は「通級指導教室」で個別支援を受けることもできます。
【通級指導教室】
通常級に通いながら、週に数時間だけ別の教室でその子に合った支援を受けることができます。倉敷市では「言語のクラス」と「情緒のクラス」があり、それぞれ支援内容が異なります。
小学校では7校。中学校では2校の公立校に設置されています。
• 言語のクラス(ことばの教室):発音が不明瞭、語彙が少ない、話すことはできても書くのが苦手など、言葉に関する困りごとを支援します。
• 情緒のクラス:気持ちの切り替えが難しい、人との関わりが苦手、集団行動が不安など、感情や対人面での困りごとを支援します。
【聞こえのクラス】
倉敷市では小学校に1校設置されています。軽度や片耳難聴による、生活や学習の困りごとについて支援します。
【特別支援学級】
少人数(1クラス8人ほど)で、その子に合わせた学習や支援を行います。状況に応じて「交流級」として、給食や音楽などの授業を通常級で受けることもできます。
【交流級】
支援学級に在籍しながら、得意な科目や集団活動などを通常級で受けることができます。

学級選びのポイント
学力だけでなく、
• 集団で過ごすことができるか
• 個別の配慮が必要か
• 気持ちの切り替えや回復力(レジリエンス)
などを考えながら、お子さまの気持ちも大切にして選びましょう。

保育園、こども園などの先生に、お子さんの今の様子をしっかり相談しながら安心して過ごせる場所を選ぶことが、結果的にお子さまの力を伸ばすことにつながります。

「支援学級」や「通級指導教室」がどんなところか分からず、不安になる保護者の方もおられるかもしれませんが学校に通うのは、お子さま自身です。入学前に見学などをして、納得できる選択ができると安心ですね。

出典:倉敷市公式サイト、文部科学省資料

ことばあそび さかさことば

【ことばあそび】

 今日は【さかさことば】をしたいと思います。

【対象】4歳後半から

【人数】1人から

【準備するもの】 なし

【目的】

 単語の音を意識する

 2つ以上の音を覚える

 音を正しく並び替える

 情報を覚えて、頭の中で操作する

【やりかた】

「りんご」のような単語を「ご・ん・り」と逆さから言う。

「ご・ん・り」と言って、逆さから言うと「何の単語でしょう?」とクイズにしてもいいですよ。

文字で見るとわかりやすいですが、音だけだと案外難しいものです。徐々に文字数を増やしながらお題を出し合って遊びましょう

間違ったり正解したりすることを楽しみましょう。

最初は絵カードや文字カードのヒントがある方が楽しめるお子さんもいます。

正しく言えなくて自分でじっくり考えたり、間違っている事に気付けたりしたら褒めてあげてくださいね。


参考図書 へんしんトンネル

水島児童館で言語相談をおこないます

水島児童館にて 

 言語聴覚士がお子さんのことばについての個別相談を行います。

 ことばがゆっくりなことが心配、はっきりしたことばをしゃべれていないかも…

 など、ことばに関することであればどんな小さなことでも相談できます。

 相談をご希望の方は水島児童館にお問い合わせください。

 

 日時:令和8年2月19日(木)10時00分~12時00分

 対象:年齢は問いません

 場所:水島児童館

 問い合わせ: 水島児童館 086-448-0650

③学校で発音について指摘されたら~発音の他にも苦手なことはないですか~

子供の発音の誤りが小学生になっても続く場合、次のような点に注意してみましょう。

  • 言葉の誤りが多い
    • 発音だけでなく、言い間違いも多い。
    • 文章を作ることや文章問題を理解するのも苦手。
  • 会話が苦手
    • 会話のキャッチボールが苦手
    • 表情やジェスチャーを理解するのが難しい。
    • 会話がかみ合わずにちぐはぐすることがある。
  • 集中力の問題
    • 注意が散漫になりやすく、集中力が続かない。
    • 学校の宿題や連絡帳を書く、日常生活でやる事等をこなすのが難しい。

どうしたら良いか

  • 専門家に相談:医師や言語聴覚士等の専門家や学校の通級指導教室の先生などに相談しましょう。

家族ができること

  • 観察する:日常メモを取っておくと相談の時に参考になります。
  • ポジティブな環境を作る:安心して練習できる環境を作り、励ましてあげる。

関連記事

①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

②学校で発音について指摘されたら~言語聴能訓練室でチェックすること~

機能性構音障害

構音障害(発音の障害)


参考文献

日本言語聴覚士協会,言語聴覚療法臨床マニュアル,協同医学書出版社,1992

②学校で発音について指摘されたら~言語聴能訓練室でチェックすること~

言語聴能訓練室に相談に来てもらうと、次のことを確認します。

  1. 発音のチェック

  2. 言葉の発達

  3. 医療機関で診察が必要かどうか

  4. 本人が練習をしたいと思っているかどうか

 発音に誤りがある場合でも、次のようなことがあれば、練習を始めるタイミングではないと判断することがあります。

  • 本人が練習を望んでいない場合

  • 医療機関で中耳炎や口や鼻などに問題がないかチェックが必要と判断された場合

  • 言葉の発達に偏りがあると疑われる場合 など

 いろいろ確認した上で、発音の練習を開始するのが適切なタイミングかどうかを判断します。また、中耳炎などの治療を優先することもあります。

発音の練習は、それぞれのお子さんに合ったタイミングで始めることが大切です。

しっかりと相談しながら進めていきます。


関連記事 ①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

  学校で、発音の誤りについて指摘された、というご相談が増えています。

 以前別の記事でも書かせていただいたように、発音の練習は早く始めた方が良いというものではありません。

 特に小学生以降は、自分の意思をしっかり持てるようになってきますので、ご本人のやる気はとても大切です。

 保護者の方の中には「実はずっと気になっていた」という方や、「指摘されて初めて気づいた」という方もおられると思います。

 それでも、発音の誤りについてお子さんと改めて話をするという機会がなかった場合に「具体的にどんなことを話せばいいの?」と思われると思います。

 学校で発音について指摘された場合、まずご家庭でも以下の事についてお話してみてください。

  1. 本人は発音の誤りを気にしているか?

    気づいていると言えなくても

    • 小声で話す

    • 話すのを避ける

    • 聞き返すと黙ることがある

  2. 本人は発音の誤りで困っていることがあるか?

    具体的な場面だと

    • 本読みでうまく読めないことがある

    • 友達と話をしていてよく聞き返される

 発音の練習は、ご本人のモチベーションがないと続きません。また、練習で言えるようになっても、発音の誤りに気付いていないと普段の生活の中でも正しい発音ができるようになりません。

 ご家庭で話し合った結果、お子さんご本人が 1 や 2 のようなことをお話してくれるようであれば、発音の練習について相談する良いタイミングと言えます。

様子見と言われたら確認すること

言葉の発達はお子さんによって個人差がとっても大きいため、相談機関や病院で相談しても

「様子を見ましょう」

と言われることは少なくありません。滑舌の悪い子や、発音が違う子。言葉が少ない子。逆にずっとしゃべっている。という子もいますよね。様々な心配事があるかと思いますが、決心して相談したのに

「様子を見ましょう」

と言われると安心される方もいらっしゃる一方、心配が募ってしまう場合もありますよね。

様子を見ましょうという言葉には
「(年齢的に心配ないからこのまま大きくなれば、自然とよくなりそうだけど念のため一定期間して改めて相談してもらうために)様子を見ましょう」

「(今後成長とともに問題なくなる可能性もあるし、お子さんの困り感につながる状態になる可能性もあるので、一定期間を経て、改めて検査や評価をする必要があるので)様子を見ましょう」等があります。

そこで「様子を見ましょう」と言われたときに気を付けて確認しておきたいいくつかの事を【発音の誤りを相談した場合】を例に挙げてみます。

①様子見はいつまで?
  一定の年齢や子どもが言えないことを気にしだす頃。

②何に気を付けて様子を見る?
  子どもが言いにくさを気にしているか、ご飯をしっかり噛んでたべているか等。

③様子見の間、生活や園での関わりで出来ることはあるか?
   発音の誤りを指摘したりせず、正しい言葉をさりげなく聞かせてあげる。

 

相談してくださる方から上記3つの事を「どうすればいいの?」と聞いてくださると、相談窓口でもより具体的なお話をしてもらえるかなと思います。


関連記事

発音(滑舌)様子をみましょうと言われたら①

言葉の相談に行ったら親子教室を勧められた①

☆発音のお話

今日は発音の発達のお話です。

言葉がはなせるようになると、発音が気になるようになりますよね。

発音の発達は個人差がありますが、いくつか特徴があります。

 

 

発音発達の特徴 

①「サ」「ザ」行、「シャ」行、「ラ」行の音、「ツ」はおおむね4歳以降に完成し、それ以外の子音は4歳ごろまでに完成します。

 たとえば、”さかな”が「しゃかな」「ちゃかな」になる等は、発達の過程でよくみられる誤りですので、お口の動きが上手になってくると「さかな」と徐々に言えるようになることがあります。

②それぞれの音が出始めて、完成するまでの間には、言えたり、言えなかったりという状態をいったりきたりします。ことばの音の並びによっていいにくかったり、言いやすかったりします。

たとえば「さかな」は言えるけど”おかあさん”が「おかあしゃん」となる等、音の並びやことばの長さで言えない事もあります。

③それぞれの音の出現時期・完成時期については個人差が大きいです。発音も「ことばの発達」の一部ですのではっきり言えなくてもお子さんとことばでやりとりをすることがとても大切です。

 

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