「りんご」を「ご」と言うなど
単語の名前の最初や最後だけしか言わない。というご相談を受けることがあります。
「りんご」と伝えたいのだけれどうまく言えず「ご」と発音したり、「ひこうき」を「こーき」と発音することを専門用語で「ワードパーシャル」と言います。
こういう、単語の一部だけしか言わない時期は言葉の出始めから2歳代くらいまでは、比較的よく見られます。文も話しているようだけど一部だけしかはっきり聞き取れず 🙁 (何か伝えたいんだろうけど、よくわからないな)ともどかしい経験をされている保護者の方は多いのではないでしょうか?
発音の未熟さでもありますが、音を覚えておくことや複数の音を頭の中で並べる事の未熟さが原因であることもあります。
こんな時思わず一文字ずつ復唱させて
:-) 大人「り」→子「り」
🙂 大人「ん」→子「ん」
🙂 大人「ご」→子「ご」
🙂 大人「りんご」→子「ご」
と言わせたくなってしまうものですが”りんご”だと言えない。という事はよくあります。
でも、子どもは“りんご”と言っているつもりなので言いたい気持ちを汲み取って「そう、り ん ご」と正しい言葉をゆっくり、聞き取りやすい発音で復唱してあげましょう。
何度も聞くことで記憶が強化され音を組み立てる力にも繋がります。
文字に興味のある子なら、文字も一緒に示してあげてもいいでしょう。
3歳を過ぎても言葉の一部を言うことの方が多く、正しく言える言葉が増えないような時は、専門家と丁寧に様子を見守りながら成長を観察することが必要な事があります。また、ことばを聞く練習やことばを組み立てる練習が必要なことがありますので小児科医や保健師さん、専門家(言語聴覚士など)に相談してみてください。
参考文献
言語委員会言語発達遅滞小委員会(1998)〈S-S法 〉言語発達遅滞検査 を用いた健常幼児の言語能力調査