児島児童館にて
言語聴覚士がお子さんのことばについての個別相談を行います。
ことばがなかなか増えない,はっきりとしゃべれない,吃音がある…
普段気になっているけど、なかなか相談できないな…
そんなお悩みがあればぜひご相談ください。
相談をご希望の方は児島児童館にお問い合わせください。
日時:令和7年9月19日(金)10時~
対象:乳幼児の親子
場所:児島児童館
電話 086-473-2844
大人にとって、簡単そうに思えることも子どもにとってはハードルが高いことは沢山あります。
目標がその子にとって高すぎると、なかなか挑戦できなかったり挫折したりすることを繰り替えし、自己肯定感をそがれてしまうことがあります。
そこで、スモールステップで、少しずつできるようにサポートしてみましょう。
スモールステップとは、目標までの道のりを細分化して、その細かい目標を達成していくかかわりのことです。
例えば「あいさつ」
大きな目標が「一人で先生におはようを言う」
細分化すると
①大人と先生の前に立つ
②大人に「おはよう」と言ってもらう
③大人が「おはよう」と言うときに先生を見る
④大人が「おはよう」と言うときに手を振る
⑤大人と「おはよう」を言う
⑥一人で先生の前に立つ
⑦一人で先生を見る
⑧一人で手を振る
⑨👑一人で「おはよう」という
このように細かい目標を立てて1つずつ達成していきます。
出来たら次のステップを促してみるのはいいですが、無理強いしないように気を付けましょう。
🙆「今日は、先生のところまで行けたね」「おはようの気持ちで先生のお顔見れたね」等できたことを伝えて褒めてあげてください。
🙅♀️「先生のところまで行けたのに「おはよう」が言えなかったね」「あなただけ言えてなかったよ」等、否定的な声掛けはしないようにしましょう。
スモールステップのポイント
・目標をはっきりさせる
・ゴールまでの行程を細かく分ける
・1つずつ順に行う
焦らず少しずつ、小さいけれど確実に「できた」を積み重ねていけるようサポートしてあげてみましょう。
お子さんの言葉を話すのがゆっくりだなと感じると心配ですよね。
はっきり言える言葉が少なくて、心配が募る場合もあるかもしれません。
また、違うものを他の物と混同しているのかな?と思うような場面もあるでしょう。
小さなお子さんの場合、ひとつの言葉を複数の意味で使っていることもあります。
例えば
「(りん)ご」等言葉の一部を言えている場合もすべての音が言えていなくても
「そう、りんご。おいしそうだね」と言いたいことを受け止めてあげましょう。
また、「わんわん」
と言っていてもふわふわの毛がある特徴を捉えて”わんわん”と表していることもあります。
ですから、猫やウサギなどをみても「わんわん」
ふかふかのくまのぬいぐるみも「わんわん」
と表していることもあるでしょう。
そんな時は、否定せず「そうだねニャンニャン。ワンワンみたいにふわふわだね」と
受け止めてあげてください。
お子さんは、自分の言いたいことを大人が分かってくれた事を嬉しいと感じ
もっといっぱいおしゃべりしたいと言う気持ちが育っていきます。
おしゃべりしたい気持ちが育つことで、知りたい気持ちが育ち、分かる言葉が増えてお話出来ることが増えていきますよ。
お子さんがおしゃべりが楽しいなと思える時間を過ごしてみてくださいね。
【ことばあそび】
今日は【おとはいくつクイズ】をしてみたいと思います
【対象】
年長から
【ねらい】
①ことばがいくつかの音で出来ていることに気づく。
②ことのばの音の数をかぞえる
③一文字にひとつの音が対応している事を知る
④文字に興味を持つ
【よういするもの】
なし
【できるにんずう】
1人から
【やりかた】
①もんだい を だすひと は、いう ことば を きめる。
きめたら もんだい を だす。たとえば「【りんご】の おと は いくつ?」
②こたえる ひと は【りんご】の おと を かぞえて こたえる。
やってみよう。
した の え の ことば の おと は なんこ でしょう?
え の した の すうじ を えらんで ゆび で おさえましょう。(パソコン で みている ひと は マウス で クリック)
こたえ は、いちばん した に あります。
①
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②
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③
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④
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ぜんぶ、せいかい できましたか?
ほかにも、み の まわり の ことば の かず を かぞえて みて くださいね
こたえ
①りんご
〇〇〇 3こ
②ぱんだ
〇〇〇 3こ
④かきごおり
〇〇〇〇〇 5こ
⑤ぴーまん
〇〇〇〇 4こ
関連記事 ことばあそび⑥おとはいくつ
以前、発音の相談で様子見と言われたら、まず体を動かす遊びがしっかりできているかを見直してみましょう、と言うお話を書かせていただきました。
今回は、口の体操や発音を真似る練習だけでなく、体を大きく使った遊びや手指を使った遊びは発音(滑舌)の発達に大切なのか少しだけお話してみたいと思います。
走ることは簡単な事のようですが、膝を曲げて足を動かせているか、腕を左右別々に動かすことができているか等、スムーズに走れているように見える時は全身がバラバラの動きをして色々な関節を動かすことが出来ています。
まだ、体の使い方のぎこちない小さな子どもだとペンギン走りのように膝がピンと伸びたままだったり、右手と右足が一緒に前に出ていたりすることがあります。
もちろん、走るだけでなくブランコに乗る、鉄棒につかまってぶら下がる。ジャングルジムを上る等も体を大きく使って遊ぶのには有効です。
また、体を大きく使って遊ぶだけでなく手指を使った遊びもどんどんしてみてください。新聞を破いたり、折り紙を折ったり、はさみや糊を使った工作もいいでしょう。
線を思い通りに書けるように手や腕を動かす、紙を破いたり折ったりすることは、指先を使い、手先や腕等の力加減を繊細にコントロールすることが必要です。
正しい発音をする為の練習には、唇や舌を数ミリ単位で調整することが求められます。
例えば「さ」と「た」は絶妙な力加減と繊細な動きの違いで発音されます。
更に、発音が正しく言えるようになる為には、他にも様々な条件が必要になってくるのですから、練習を始める時期は子どもによって違ってくるのです。
参考文献
加藤正子・竹下圭子・大伴潔編著:構音障害のある子どもの理解と支援
日本言語聴覚士協会,言語聴覚療法臨床マニュアル,協同医学書出版社,1992
関連記事 発音のお話①発音の発達 、発音のお話②大人が発音の見本に
発音のお話③発音を育てる生活動作と遊び 、言葉の相談について
発音の相談に来たお子さんで安静時に口がぽかんと開いている場合、
鼻づまり、不正咬合に関してお医者さんにまずは相談をするようお願いしています。
口呼吸の原因の1つには
口周りの筋力が未発達であることがあげられます。
表情で感情がわかるようになる、離乳食が完了する頃までは口が開いているのは発達上のことで、個人差もあります。
口呼吸かどうかをチェックする方法について
・ポカンと口をあけている
・歯並びが悪い
・発音が不明瞭
・朝、のどが痛い
・口内炎ができやすい
・あごの下にシワがよる
・くちびるがカサカサで乾燥する
・風邪をひきやすい
・鼻がつまりやすい
3つ以上チェックがあったら赤信号です。
高松市歯科医師会もぐもぐだより vol35 を参考にしてください。
鼻呼吸のチェックについては
・こどもの鼻の下に指をあてる。息が感じられるか
はい/いいえ
・こどもの鼻の下に薄い鏡かスマホ(黒い画面で行う)を軽くあて画面が曇るか
はい/いいえ
いずれも こどもの口が閉じた状態で「はい」であれば
鼻呼吸ができています。
発音練習の話に戻りますが、
舌だけを口唇より前に出す、上口唇をなめるなどができない場合
舌や口の動きの巧緻性を高める練習をしていきます。
食事の場面や遊びの場面で口や口周りの筋肉をupさせることは可能です。
急にできることではありませんので、ゆっくり焦らず やってみてください。
参考HP 公益社団法人 高松市歯科医師会 https://www.418takamatu.com/mogumogudayori/
言語聴能訓練室に相談に来てもらうと、次のことを確認します。
発音のチェック
言葉の発達
医療機関で診察が必要かどうか
本人が練習をしたいと思っているかどうか
発音に誤りがある場合でも、次のようなことがあれば、練習を始めるタイミングではないと判断することがあります。
本人が練習を望んでいない場合
医療機関で中耳炎や口や鼻などに問題がないかチェックが必要と判断された場合
言葉の発達に偏りがあると疑われる場合 など
いろいろ確認した上で、発音の練習を開始するのが適切なタイミングかどうかを判断します。また、中耳炎などの治療を優先することもあります。
発音の練習は、それぞれのお子さんに合ったタイミングで始めることが大切です。
しっかりと相談しながら進めていきます。
学校で、発音の誤りについて指摘された、というご相談が増えています。
以前別の記事でも書かせていただいたように、発音の練習は早く始めた方が良いというものではありません。
特に小学生以降は、自分の意思をしっかり持てるようになってきますので、ご本人のやる気はとても大切です。
保護者の方の中には「実はずっと気になっていた」という方や、「指摘されて初めて気づいた」という方もおられると思います。
それでも、発音の誤りについてお子さんと改めて話をするという機会がなかった場合に「具体的にどんなことを話せばいいの?」と思われると思います。
学校で発音について指摘された場合、まずご家庭でも以下の事についてお話してみてください。
本人は発音の誤りを気にしているか?
気づいていると言えなくても
小声で話す
話すのを避ける
聞き返すと黙ることがある
本人は発音の誤りで困っていることがあるか?
具体的な場面だと
本読みでうまく読めないことがある
友達と話をしていてよく聞き返される
発音の練習は、ご本人のモチベーションがないと続きません。また、練習で言えるようになっても、発音の誤りに気付いていないと普段の生活の中でも正しい発音ができるようになりません。
ご家庭で話し合った結果、お子さんご本人が 1 や 2 のようなことをお話してくれるようであれば、発音の練習について相談する良いタイミングと言えます。
言葉の発達はお子さんによって個人差がとっても大きいため、相談機関や病院で相談しても
「様子を見ましょう」
と言われることは少なくありません。滑舌の悪い子や、発音が違う子。言葉が少ない子。逆にずっとしゃべっている。という子もいますよね。様々な心配事があるかと思いますが、決心して相談したのに
「様子を見ましょう」
と言われると安心される方もいらっしゃる一方、心配が募ってしまう場合もありますよね。
様子を見ましょうという言葉には
「(年齢的に心配ないからこのまま大きくなれば、自然とよくなりそうだけど念のため一定期間して改めて相談してもらうために)様子を見ましょう」
「(今後成長とともに問題なくなる可能性もあるし、お子さんの困り感につながる状態になる可能性もあるので、一定期間を経て、改めて検査や評価をする必要があるので)様子を見ましょう」等があります。
そこで「様子を見ましょう」と言われたときに気を付けて確認しておきたいいくつかの事を【発音の誤りを相談した場合】を例に挙げてみます。
①様子見はいつまで?
一定の年齢や子どもが言えないことを気にしだす頃。
②何に気を付けて様子を見る?
子どもが言いにくさを気にしているか、ご飯をしっかり噛んでたべているか等。
③様子見の間、生活や園での関わりで出来ることはあるか?
発音の誤りを指摘したりせず、正しい言葉をさりげなく聞かせてあげる。
相談してくださる方から上記3つの事を「どうすればいいの?」と聞いてくださると、相談窓口でもより具体的なお話をしてもらえるかなと思います。
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吃音だけでなく様々理由によって配慮が必要な場合、筆記試験や面接で合理的配慮を申請することが出来ます。
配慮の内容は、障がいや疾病によってそれぞれです。
県立高等学校をへ入学を希望される皆さんへ と言う冊子には
特別な配慮が必要な方は、余裕をもって中学校へ相談してください。
と書かれています。
岡山県立高校の入試でも多くの学校で面接があります。
県立中学校の入試では、3校とも面接がありますが、事前の相談によって合理的配慮を受けることが可能です。
吃音に対しての面接時の合理的配慮の例は以下が挙げられます。
・ことばが詰まっても話しの続きを促さない
・大きな声を促さない
・面接時間の延長
・筆記での対応
配慮事項については
適正検査及び面接を受験するに当たり、病気や傷害等等の事情により時別な配慮を必要とする場合、保護者は、事前に志願校と十分に相談する。
とあります。
また、文部科学省では
(高校入試を実施側に求められる対応)
〇医師の診断書の発行に時間を要する場合等もあることから、申請方法等の明確化を図ること。⇒ 申請方法(申請時期、申請先、必要な書類など)、決定時期、再申請の方法など
〇合理的配慮は一人一人の障害の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものであることから、申請を不許可とする場合は、その理由を具体的に説明する必要があること。
〇受験上の配慮事項を決定するにあたっては、中学校において行われている配慮や支援の内容が参考になることから、中学校と高等学校が連携を図るなどして、積極的に情報共有を行うこと。
と合理的配慮を受ける際に医師の診断書を発行するには時間がかかる為、どのような書類を準備すればいいのか、入試を実施する高校側が明確にすることを求めています。
どのような書類が必要か、まずは在学校を通して中学校、高校に問い合わせてみてください。
大学受験においての合理的配慮の申請は、各大学のホームページに申請方法が記載されています。
例えば倉敷市立短期大学では、募集要項の令和5年度学生募集要項 38ページに合理的配慮について記載されています。大学の多くは出願前に早めに相談することが求められていますので、志望する大学に予め何が必要なのかも含めて相談の連絡をすることをお勧めします。
受験する検定によっても配慮が受けられる場合があります。
まず、どのような書類が必要なのか?どのように申請するのか?各検定の協会のホームページで確認してみましょう。
言語聴能訓練室は、医療機関ではなく医師もいないため、診断書等は書けませんが、かかりつけの先生や学校の先生に、吃音について「どのように説明したらいいのかな?」など、お悩みの場合にはご相談ください。
関連コンテンツ:小・中・高校生のみなさまへ
参考書籍:菊池良和著,吃音の合理的配慮,学苑社,2019
参考・引用HP:学苑社HP