言葉の相談に行ったら親子教室を勧められた②

言葉の相談に行ったら親子教室を勧められた①では、誰かと一緒に何かを楽しむ事がコミュニケーション意欲を育て、言葉の発達に大切だというお話をしました。

お子さんは、お友達と遊ぶこともできるし、普段から一生懸命伝えることが出来ているということも多いと思います。

それでも、お友達や親子で遊ぶことで、ことばでのコミュニケーションをする場面を増やす為にわざわざ教室での経験を勧められることがあります。

きっと、お家ではお母さんやお父さんに「ジュース(ほしい)」「いや」「いいよ」等と言うことが出来るし、遊びの場面で、お友達におもちゃを譲ってあげたり、砂場で一緒に遊んだりできているのだと思います。

そうやっていろんな経験を積む事が出来ているのだけど、相談に来られた場では先生の言う事が理解できない、理解できてるけど指示通りに出来ないお子さんはいます。

相談の場面ではいつもと違う状況ですし、お父さんお母さんの言い方と違います。大人にとってはちょっとした違いであっても、子ども達には言っている事がすぐに理解できない事があります。

知らない場所で必要以上に強い緊張状態になってしまったり、逆に新しいことに気持ちが高揚してしまいお話が聞けなかったりというお子さんもいます。

ただ、そんなお子さんに「頑張れ」「いつも言えるでしょ」「おちついて」と言い聞かせて出来るようになるのではありません。

厚生労働省で児童発達支援ガイドラインにもある様に

強い不安や緊張を示す子どもに対しては、活動内容や環境
の設定を創意工夫し、情緒の程よい表出を促すとともに、人との関わりを広げていけるようにすることが必要である。また、少人数でゆったりと落ち着いた受容的な環境を用意することが必要である。

お家や自由な遊び場面で出来ていることをお母さんやお父さんと一緒に、家族以外の人と日常とちょっとだけ違う場面でも遊びを経験し、活動に参加出来るようになることは良い刺激になります。


参考資料:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン 」

言葉の相談に行ったら親子教室を勧められた①

2歳ぐらいのお子さんで、親の言葉を理解しているのに、ことばが出なかったり、言葉が少ないという事が心配で相談に行ったら親子教室ややり取りの練習を勧められた。

そういう事はありませんか?

言語聴能訓練室でも、親子教室をお勧めすることがあります。

何故でしょう?

子どもは親の言葉を理解しているのに、ことばが出なかったり、言葉を話していてもなんと言いたいのか理解してあげられなかったりともどかしい思いを抱えているのに何故??と思われると思います。

子どものお話する力の3要素でも、お話しましたが言葉の発達には「コミュニケーション意欲(伝えたい気持ち)」がすごく大切です。

また、話せる言葉を増やすには分かる言葉をもっと増やしていくことも必要です。

親子で、ふれあい遊びや手遊びをしたり、絵本の読み聞かせを体験したりすることでお母さんやお父さんと”一緒に遊ぶという意識を高めていくことが出来ます。

お友達と物を共有したり、一緒に遊ぶ機会を沢山もつことで、お友達という意識も育っていくでしょう。

お母さん、お父さんが楽しいことをしてくれた。

あそこに行くと一緒に遊べるお友達がいる。

これらの経験は、コミュニケーション意欲を伸ばすための基礎になります。

そして、お家の人以外とのやり取りも上手になっていきます。

経験することで動きを表す言葉や気持ちを表す言葉、普段お家にはない物の名前を知る機会にも繋がります。

厚生労働省で児童発達支援ガイドラインでも

子どもの成長は、「遊び」を通して促されることから、周囲との関わりを深めたり、表現力を高めたりする「遊び」を通し、職員が適切に関わる中で、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにできるように、具体的な支援を行うこと。

と書かれています。親子教室で色々な「遊び」ができるといいですよね。

親子教室をお勧めされたら1度参加してみてはいかがでしょうか


参考資料:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン 」

はつおんあそび④口唇の筋力up

今回は口唇の筋力upする遊びを紹介します。

2歳になってもよだれがでる、気が付くと口が開いている、食べこぼしが多い、食べる時にクチャクチャ音がするなど、

気になる場合はやってみてください。

また、マスクをする習慣が長期化しているため

口呼吸になり呼吸が浅くなる、口の可動域が狭くなると、

会話(発音)が聞き取りにくくなります。

口唇の開閉、口をすぼめる、口角を引く動きは食事発音に効果的です。

 

お口周りをしっかり動かすために

口唇の筋力up遊び やってみよう。

ストローを噛まずに吹く→唇でストローを支える時の筋力+吸う力は発音に効果的。

 

  • お風呂でバブリング  手で水をすくい「ぶー」と声をだした後に「ぱっ」と一気に口を開ける。はじめに声を出しながら口を水につけると飲まないよ。

水がこわくない子は、お風呂に直接鼻から下をつけながら、「ぶ―」を長く言う。顔を上げる時に口を大きく開ける。            

 

関連記事

発音のお話③発音を育てる生活動作と遊び

 

 

 

 

令和5年新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

 今年も少しでも皆さまのお力になれるよう、研鑽を積んでいきたいと

 思います。どうぞよろしくお願いいたします 。

 言語聴能訓練室 スタッフ一同

3年ぶりのプラザまつり😊

11月23日勤労感謝の日は、3年ぶりのくらしき健康福祉プラザまつりでした。

言語聴能訓練室では、摂食嚥下のQ&Aでクイズに挑戦してくださったり、言葉の発達についての展示も熱心に見て頂けて嬉しかったです。

例年より、短い時間でしたが沢山の方のご来場ありがとうございました。

吃音は本人に意識させない方がいい?

『吃音は本人に意識させない方がいい』は間違い

 古くから吃音は長い間「本人に意識させない方がいい」と提唱されてきましたが今はそれは間違っているとされています。

 しかし、日本では今もその考えは根強く正しい認識がアップデートしきれていないのが現状です。

 子どもに「吃音を意識させない」ことを重視しすぎた対応をしていると、子どもが自分の話し方に対し「なんで、言葉がつっかえるの?」というような素朴な疑問に対して身近な大人が向き合ってあげられない場面が生じてしまう恐れがあります。

 むしろ、子どもが自分の話しにくさに対して「この話はしたらいけないのかな」と、相談しにくい雰囲気を作ってしまうかもしれません。

 吃音についての話をタブー化せず、吃音についてフランクに話せる雰囲気を作りをするためにも、子どもの疑問に答える準備をしておきたいですね。(吃音の話③ お話しができる環境づくり

疑問に対しての答え方の例

 「吃音と言われる話し方で、子どもでも大人でもそういう話し方の人がいるよ」

 「吃音という話し方で、クセみたいなものだよ。悪い事じゃないよ」……等など

「からかい・いじめ」を予防するには、吃音を知ってもらう

 吃音のある子どもの多くは6歳から7歳ごろに半数以上が園や学校生活で発表友達との会話などで吃音を意識することが多いとされています。それに対し保護者のほとんどは、2~3歳ごろ吃音が出ている事に、本人より先に気づいています。

 吃音は意識させても悪化には繋がりません。

 専門家(医師、言語聴覚士、通級指導教諭等)や保護者は、早期に園・学校に吃音に伴うからかいや、いじめ(笑う、真似る)などがないかを確認し、吃音は「わざとではないこと」「自分の努力や意識でコントロールできないこと」を周囲に知ってもらう事が大切です。

 その上で子ども達にもそのつど「わらったり、真似たりすることは良くない」ことを伝えていくようにしましょう。


参考論文

菊池 良和ほか 吃音を意識した年齢に関する検討 音声言語医学56 巻 (2015) 4 号

関連記事

子どもが友達の吃音に気付いたら

吃音の話③ お話しができる環境づくり

いきいきふれあいフェスティバルに行ってきました

10月16日(日)いきいきふれあいフェスティバル(倉敷市水島緑地福田公園)に参加しました。

3年ぶりの開催、参加でしたが、用意していた景品もあっという間になくなるほどでした。 😮 

見え方クイズやことばのコーナーに参加、相談してくださった方々

ありがとうございました。 😀 

次回は11月23日(水)くらしき健康福祉プラザまつりを行います。

良かったら遊びに来てくださいね。

倉敷市民スポーツフェスティバルに行ってきました

10月2日に開催された倉敷市民スポーツフェスティバルに「もぐらたたき」で参加しました。たくさんの方に楽しんでいただけて良かったです。

展示した、「見え方」と「ことば」の健康コーナーのパネルも見て頂けました。

お立ち寄り頂いた方、ありがとうございます。

次は、10月16日いきいきふれあいフェスティバル(倉敷市水島緑地福田公園)に参加します。

見え方・ことばのコーナーで展示をします。

良かったら遊びに来てくださいね

面接試験の合理的配慮を受ける

吃音だけでなく様々理由によって配慮が必要な場合、筆記試験や面接で合理的配慮を申請することが出来ます。

配慮の内容は、障がいや疾病によってそれぞれです。

中学・高校入試の面接で合理的配慮を受けたい

岡山県立高校の入試でも多くの学校で面接があります。

県立中学校の入試では、4校とも面接がありますが、事前の相談によって合理的配慮を受けることが可能です。

吃音に対しての面接時の合理的配慮の例は以下が挙げられます。

・ことばが詰まっても話しの続きを促さない

・大きな声を促さない

・面接時間の延長

・筆記での対応

配慮事項については

適正検査及び面接を受験するに当たり、病気や傷害等等の事情により時別な配慮を必要とする場合、保護者は、事前に志願校と十分に相談する。

とあります。

また、文部科学省では

(高校入試を実施側に求められる対応)

〇医師の診断書の発行に時間を要する場合等もあることから、申請方法等の明確化を図ること。⇒ 申請方法(申請時期、申請先、必要な書類など)、決定時期、再申請の方法など

〇合理的配慮は一人一人の障害の状態や教育的ニーズに応じて決定されるものであることから、申請を不許可とする場合は、その理由を具体的に説明する必要があること。

〇受験上の配慮事項を決定するにあたっては、中学校において行われている配慮や支援の内容が参考になることから、中学校と高等学校が連携を図るなどして、積極的に情報共有を行うこと。

と合理的配慮を受ける際に医師の診断書を発行するには時間がかかる為、どのような書類を準備すればいいのか、入試を実施する高校側が明確にすることを求めています。

どのような書類が必要か、まずは在学校を通して中学校、高校に問い合わせてみてください。

大学入試の面接で、合理的配慮を受けるには

大学受験においての合理的配慮の申請は、各大学のホームページに申請方法が記載されています。

例えば倉敷市立短期大学では、募集要項の令和5年度学生募集要項 38ページに合理的配慮について記載されています。大学の多くは出願前に早めに相談することが求められていますので、志望する大学に予め何が必要なのかも含めて相談の連絡をすることをお勧めします。

各種検定について

受験する検定によっても配慮が受けられる場合があります。

まず、どのような書類が必要なのか?どのように申請するのか?各検定の協会のホームページで確認してみましょう。

言語聴能訓練室は、医療機関ではなく医師もいないため、診断書等は書けませんが、かかりつけの先生や学校の先生に、吃音について「どのように説明したらいいのかな?」など、お悩みの場合にはご相談ください。


関連コンテンツ:小・中・高校生のみなさまへ

   参考書籍:菊池良和著,吃音の合理的配慮,学苑社,2019

 参考・引用HP:学苑社HP

         英検:障がい等のある方へ受験上の配慮

        10話: 国立大学医学科を合格した吃音受験生への配慮の診断書

        合理的配慮の提供

おもちゃの貸し借り②

おもちゃの貸し借り①で、外出時、こども同士の玩具の貸し借りは社会のルール気持ちのコントロールが必要なので、大人はこどもの発達段階と気持ちに寄り添った関わりをしてくださいと伝えました。

今回は

こどもの発達段階と大人の関わりについて お伝えします。

自分の要求をことばや動作で相手に伝える表現ができるか?

(要求を表現できたからといって、必ずしも「貸し借り」がうまくいとは限りませんけど…)

遊びたいけど「貸して」と言えない時や、

まだ使いたいのに「貸して」と言われた時に、

自分で「いいよ」「いやだ」「あとで」「どうぞ」「かして」などがいえる(ジェスチャーまたは動作表現でも可能)か、どうかです。

できない場合は、いっしょに「まって」「いいよ」を言ってみる、まずはこれで様子をみてみましょう。

貸してもらえた時の「ありがとう」を表現する(行動模倣も可)等

ことばや気持ちを表現する、相手に伝えようとする反応が大事です。

泣き叫ぶ、相手をかむ等の行動には大人が対応しましょう。

こどもが自分で気持ちを伝えることを目標に焦らず関わりましょう。

 

こどもの発達について、

困ったことを言いつけにくるのは2歳後半からです。(個人差有り)

こども達は困った時の対処方法を大人に教えられることで、

見て、真似て、社会ルールを学んでいきます。

「~していい?」と交渉表現が可能になるのは3~4歳代です。(個人差有り)

それができると、少し離れていても安心できますよね。大人が見守る意識が大事となってきます。(危険が伴う、人や物を傷つける等の言動の場合は介入の必要があります。)

5~6歳代になると、ともだちと要求を話し合い、遊びの中でルールを発展していくように成長していきます。(個人差有り)

同時に、こども自身がどう感じたか、行動の理由を話してくれるようになります。

 

外出先では、一人で遊ぶのが好きな子、お友達と遊びたい子、親から離れてても楽しむ子、場所見知りや人見知りで親から離れて遊べない子、年齢も性格もいろいろな子ども達が遊びにきています。関わり方はいろいろです。

こどもにとって遊びの経験を増やすことはコミュニケーションの成長にもつながっていくのです。

関連 譲り合う参照 コミュニケーションを豊かにするために①参照

おもちゃの貸し借り①参照