人見知り、場所見知り

知らない人や場所に戸惑って嫌がったり、泣き出したりする状態を人見知り、場所見知りといいます。

泣いたりしなくても、ただジーっとしていたり、ただ歩き回って終わってしまうことが戸惑いの表現の子どももいます。

お父さん、お母さんからすれば、ずっと抱っこされて離れない。一人で遊んでばかりでお友達が近づくと離れてしまう。という様子があると、お友達や先生と一緒に遊んでコミュニケーションの機会を作りたいと思ってお出かけしてきたのに…と思うこともあると思います。

人見知りや場所見知りの理由は、もともとの性格だけでなくいろいろな理由があります。

2歳ごろの「人見知り」や「場所見知り」について調べてみると

2歳児の人見知りは、

• 心が育ってきた
• 記憶力が上がってきた
• 身体機能が発達してきた
この3つを示すサインと言えます。

貼り付け元 <https://epark.jp/kosodate/enjoylife/k-2year-old-shy_89254/>

と書かれています。

赤ちゃんの頃の人見知りは「ママ(笑う)」「ママじゃない!(泣く)」の状態だったのに対して、

見たことない場所や人に接すると
「なんだろう?」
「こわい?」
「よく見てみよう」
「怖くないかも」
「たのしい!」
と、複雑になってきています。

記憶も、目に見えなくなったら忘れていた過去の出来事も思い出してお話するようになって、初めて会った人とそうでない人も分かるようになってきます。

体も自分で歩いたりするだけでなく、遊具で遊んだり跳ねたりすることができるようになって五感がどんどん育っていきます。
好きな毛布があったり、お花の香りに気づいたりして世界が広がっていきます。

そこで、新しい場所で新しい人たちに囲まれることで受ける刺激を子どもが五感を使って整理する時間が必要です。

刺激が整理できるまでは、明るさや他の子どもたちの声や遊ぶ音、誰かに急に触られることも怖いと感じる子もいるかもしれません。

新しい刺激を怖いと感じている子どもたちが、怖いくないと判断するのにお父さんやお母さんができることは何でしょう?

それは「安全の基地」になることです。

徐々に、その場にある物やほかの子が遊んでいるものに触ってみたくなって指差ししたり、欲しがったりするようになります。

ドキドキしてもお母さんお父さんという「安全の基地」にすぐに避難できるから、遊ぶ範囲を徐々に広げていくことができるようになってきます。

ことばの3要素の🍎話す🍎分かる🍎コミュニケーション意欲についてお話したようにことばの発達にはこの3つがバランスよく育つことが大切です。

コミュニケーション意欲は安心感の中で育っていきます。人見知り、場所見知りが強い子どもには特に急かさず安心できる場所や人を増やしていけるといいですね。

 


参考文献

NHK出版編集(2010)『ことばの育み方』中川信子監修, NHK出版.
藤岡久美子(2013)「友達と遊ばない子どもの発達—幼児期児童期の引っ込み思案・社会性研究の動向」, 山形大学紀要(教育科学第15巻4号別冊)pp.309-323