こんにちは、言語聴覚士Sです。
今日は、授業中にできる具体的な基本の対応についてお話したいとい思います。
以下にご紹介する事は、もうすでに先生方がご指導の中で実践されている事が含まれているかと思いますが改めて確認していただければと思います。
話し方のアドバイスをしない
子どもが言いかけた言葉を先取りして続きを代わりに言う事は必要ありません。最後まで自分の言葉で話しきることが大切です。
「ゆっくり」「おちついて」等のアドバイスも効果がないとされています。
また、最後まで話せた時には話の内容に注目し自分の思いが伝わったことを経験できるようにして頂きたいと思います。
吃音の子どもは自分が「吃音が出ずに話せたか」と言う事に注目しがちです。発言が出来た時は「スムーズに話せたね」「詰まらなかったね」等の言葉への評価ではなく「この発表は〇〇がよかった」等、内容についての評価をして下さい。
からかいは許さない
子供たちの中で吃音や吃音に伴う動作等へのからかいや嘲笑は、他のからかいや嘲笑と同じように対応していただきたいと思います。
吃音についての知識や情報がない子ども達にも「わざとそういう話し方をしているのではないこと」、「自分の努力ではどうしようもないこと」など、を丁寧に説明していただきたいと思います。
斉読をする
「吃音の話(指導者向け)③学齢期の吃音の特徴」でもお話しましたが、本読みなど他の人と一緒に読む(一斉読み)等の条件下では吃音はほとんど出ないのが特徴です。
授業での音読は、クラス一斉の音読にしたり二人組の音読にしたりするなどの形をとってみると効果的です。
5回のシリーズで更新させていただいた吃音の話(指導者向け)は、今回で終了です。今回の記事が吃音だけでなくことばに困り感のある子ども達に適切な支援や配慮が行き届くよう目配りされている先生方の目に留まったなら幸いです。
【おすすめ吃音関連サイト】以下リンクは外部サイトに移動します。
全国言友会(吃音(きつおん)のある人のセルフヘルプグループ)
参考書籍: 菊池良和, 吃音のことがよくわかる本, 講談社, 2015年