③学校で発音について指摘されたら~発音の他にも苦手なことはないですか~

子供の発音の誤りが小学生になっても続く場合、次のような点に注意してみましょう。

  • 言葉の誤りが多い
    • 発音だけでなく、言い間違いも多い。
    • 文章を作ることや文章問題を理解するのも苦手。
  • 会話が苦手
    • 会話のキャッチボールが苦手
    • 表情やジェスチャーを理解するのが難しい。
    • 会話がかみ合わずにちぐはぐすることがある。
  • 集中力の問題
    • 注意が散漫になりやすく、集中力が続かない。
    • 学校の宿題や連絡帳を書く、日常生活でやる事等をこなすのが難しい。

どうしたら良いか

  • 専門家に相談:医師や言語聴覚士等の専門家や学校の通級指導教室の先生などに相談しましょう。

家族ができること

  • 観察する:日常メモを取っておくと相談の時に参考になります。
  • ポジティブな環境を作る:安心して練習できる環境を作り、励ましてあげる。

関連記事

①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

②学校で発音について指摘されたら~言語聴能訓練室でチェックすること~

機能性構音障害

構音障害(発音の障害)


参考文献

日本言語聴覚士協会,言語聴覚療法臨床マニュアル,協同医学書出版社,1992

②学校で発音について指摘されたら~言語聴能訓練室でチェックすること~

言語聴能訓練室に相談に来てもらうと、次のことを確認します。

  1. 発音のチェック

  2. 言葉の発達

  3. 医療機関で診察が必要かどうか

  4. 本人が練習をしたいと思っているかどうか

 発音に誤りがある場合でも、次のようなことがあれば、練習を始めるタイミングではないと判断することがあります。

  • 本人が練習を望んでいない場合

  • 医療機関で中耳炎や口や鼻などに問題がないかチェックが必要と判断された場合

  • 言葉の発達に偏りがあると疑われる場合 など

 いろいろ確認した上で、発音の練習を開始するのが適切なタイミングかどうかを判断します。また、中耳炎などの治療を優先することもあります。

発音の練習は、それぞれのお子さんに合ったタイミングで始めることが大切です。

しっかりと相談しながら進めていきます。


関連記事 ①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

①学校で発音について指摘されたら~ご家庭で話してみること~

  学校で、発音の誤りについて指摘された、というご相談が増えています。

 以前別の記事でも書かせていただいたように、発音の練習は早く始めた方が良いというものではありません。

 特に小学生以降は、自分の意思をしっかり持てるようになってきますので、ご本人のやる気はとても大切です。

 保護者の方の中には「実はずっと気になっていた」という方や、「指摘されて初めて気づいた」という方もおられると思います。

 それでも、発音の誤りについてお子さんと改めて話をするという機会がなかった場合に「具体的にどんなことを話せばいいの?」と思われると思います。

 学校で発音について指摘された場合、まずご家庭でも以下の事についてお話してみてください。

  1. 本人は発音の誤りを気にしているか?

    気づいていると言えなくても

    • 小声で話す

    • 話すのを避ける

    • 聞き返すと黙ることがある

  2. 本人は発音の誤りで困っていることがあるか?

    具体的な場面だと

    • 本読みでうまく読めないことがある

    • 友達と話をしていてよく聞き返される

 発音の練習は、ご本人のモチベーションがないと続きません。また、練習で言えるようになっても、発音の誤りに気付いていないと普段の生活の中でも正しい発音ができるようになりません。

 ご家庭で話し合った結果、お子さんご本人が 1 や 2 のようなことをお話してくれるようであれば、発音の練習について相談する良いタイミングと言えます。