『吃音は本人に意識させない方がいい』は間違い
古くから吃音は長い間「本人に意識させない方がいい」と提唱されてきましたが今はそれは間違っているとされています。
しかし、日本では今もその考えは根強く正しい認識がアップデートしきれていないのが現状です。
子どもに「吃音を意識させない」ことを重視しすぎた対応をしていると、子どもが自分の話し方に対し「なんで、言葉がつっかえるの?」というような素朴な疑問に対して身近な大人が向き合ってあげられない場面が生じてしまう恐れがあります。
むしろ、子どもが自分の話しにくさに対して「この話はしたらいけないのかな」と、相談しにくい雰囲気を作ってしまうかもしれません。
吃音についての話をタブー化せず、吃音についてフランクに話せる雰囲気を作りをするためにも、子どもの疑問に答える準備をしておきたいですね。(吃音の話③ お話しができる環境づくり)
疑問に対しての答え方の例
「吃音と言われる話し方で、子どもでも大人でもそういう話し方の人がいるよ」
「吃音という話し方で、クセみたいなものだよ。悪い事じゃないよ」……等など
「からかい・いじめ」を予防するには、吃音を知ってもらう
吃音のある子どもの多くは6歳から7歳ごろに半数以上が園や学校生活で発表や友達との会話などで吃音を意識することが多いとされています。それに対し保護者のほとんどは、2~3歳ごろ吃音が出ている事に、本人より先に気づいています。
吃音は意識させても悪化には繋がりません。
専門家(医師、言語聴覚士、通級指導教諭等)や保護者は、早期に園・学校に吃音に伴うからかいや、いじめ(笑う、真似る)などがないかを確認し、吃音は「わざとではないこと」「自分の努力や意識でコントロールできないこと」を周囲に知ってもらう事が大切です。
その上で子ども達にもそのつど「わらったり、真似たりすることは良くない」ことを伝えていくようにしましょう。
参考論文
菊池 良和ほか 吃音を意識した年齢に関する検討 音声言語医学56 巻 (2015) 4 号
関連記事