👀出前講座「目の疲れ」について⑥

前回に引き続き、65歳以上を対象に介護予防を実施している事業所から依頼を受けて実施した出前講座「目の疲れ」についてお話します。

目の疲れの原因の一つとしてピントが合っていないことがあります。
現在使っている眼鏡が合っていないと「目の疲れ」の原因となることがあります。

そこで大切になるのが、見たい目的にあった眼鏡を使用することや
見たいものとの距離が適切がどうかということがポイントになります。
眼鏡には見える範囲(距離)が異なるさまざまな種類があります。

前回ブログでは「近々両用レンズ」についてお話しました。

今回は「遠近両用レンズ」についてお伝えします。

遠近両用レンズは
遠くから近くまで見えるレンズです。
レンズの上部が遠用部で遠方を見る範囲が広く、
ほぼ真ん中から下方に中間部、近用部があるレンズです。

 

 

 

 

 

 

 

遠方がよく見えるため、車の運転をはじめ、おもに遠方を見ることが必要な人に適しているレンズです。
パソコンや手元の資料の文字などを見る際には、レンズ下方で見る必要があります。

そのため、手元の資料からPCの画面に視線をずらす際には、
顎を上げて見ることやPCの画面から手元の資料を見る際には顎を引いたりして見ることになります。
PCなどを見る時間が長い方は、次回お話する「中近両用レンズ」や前回ブログでご紹介した「近々両用レンズ」、前々回ブログでご紹介した「近用眼鏡」が便利です。

遠近両用が適する人は・・・
車を運転する人、ゴルフをする人、買い物のとき手元の値段などが見づらい人、会議で遠くのスクリーン画面や手元の資料を両方見たい人などです。

遠近両用眼鏡のメリットは遠くも見えて、近くの手元も見ることができるため、眼鏡のかけ外しが必要ないという点です。

遠近両用眼鏡のデメリットはパソコンや手元の資料など近用部のレンズ幅が小さく、狭いため、遠用部(レンズ上)から近用部(レンズ下)を見る時、歪みや揺れを感じる場合があるかもしれません。

例えば、階段の下りで、目線を下におろすと、階段が浮いたように感じて距離感がつかめないことがあるため、階段での遠近両用を使用する場合は注意が必要であることや、運転時にサイドミラーを見るとき顔を動かさず、視線を横にずらすと歪んで見えることがあるため、顔ごと動かすなど使い方には注意が必要となります。
このように遠近両用眼鏡は、歪みや揺れなど違和感を感じることがあるため、慣れるまで使いづらさがあるという点があります。

慣れるまで違和感があるかもしれませんが、使い続けて慣れてくれば、日常のあらゆる場面で使用することができる便利なアイテムです。

 

 

 

 

 

 

次回も引き続き眼鏡についてお話します。
※倉敷市内の団体を対象に「大人」の見え方に関する出前講座を
 おこなっています。
 見えにくさに気づくチェックポイントや日常生活でできる
 セルフチェックの方法などのお伝えしています。
 出前講座をご希望の方がおられましたら、こちらからお申込みください。

参照:眼科ケア2024年9月号

👀出前講座「目の疲れ」について⑤

前回に引き続き、65歳以上を対象に介護予防を実施している事業所から
依頼を受けて、実施した出前講座「目の疲れ」についてお話します。

目の疲れの原因の一つとしてピントが合っていないことがあります。
現在使っている眼鏡が合っていないと「目の疲れ」の原因となることがあります。

そこで大切になるのが、見たい目的にあった眼鏡を使用することや
見たいものとの距離が適切がどうかということがポイントになります。
眼鏡には見える範囲(距離)が異なるさまざまな種類があります。

前回ブログでは「近用眼鏡」についてお話しました。

今回は「近々両用レンズ」についてお伝えします。

近々両用レンズとは・・・

近々両用は、近くを見るときに奥行を持ってみることができるレンズです。

近方を基準として、手元から約1m先の距離にピントを合わせて、
さらに横幅をワイドにカバーします。

前回ブログでご紹介した近用眼鏡では、少し奥(40cm~60㎝先のパソコン画面)を
見るのに不便を感じることがある場合もあります。

そこで、近方奥(レンズ上方)を近方(レンズ下方)より
少し弱めの度数にすることで、例えば、30cmの手元資料を見ながら
デスクワークでデスクトップパソコンの画面距離1mを見たり、
新聞などを広げて読むなど目と新聞との距離が離れている場面などで便利です。

 

 

 

 

 

書類やパソコンの他にも料理を食べる場面では、手元のご飯(米粒)が見えて、
奥にはおかずが見えるなど、見える奥行きが広がります。

座りっぱなしで数時間作業をする方(デスクワーク)や
手元の細かい作業が多い方にもおすすめです。

そのため中間距離(2~3m)の室内を見渡すことは難しいというデメリットがあります。

 

 

 

 

 

 

次回も眼鏡についてお話します。

※倉敷市内の団体を対象に「大人」の見え方に関する出前講座を
 おこなっています。
 見えにくさに気づくチェックポイントや日常生活でできる
 セルフチェックの方法などをお伝えしています。
 出前講座をご希望の方がおられましたら、こちらからお申込みください。

参照:眼科ケア2024年26巻9号

 

 

 

👀新年のご挨拶(令和7年)

あけましておめでとうございます。
令和7年もよろしくお願い申し上げます。

視能訓練室のブログでは見え方に関する役立つ情報や
お知らせなどを中旬、下旬ぐらいに月2回定期的に更新し、
皆様のお役に立つ情報配信に努めて参りたいと思いますので
お時間の空いた時にお読みいただけると幸いです。

見えにくさによる日常生活の不自由・不便、見え方に不安がありましたら、
電話やメールなどで、ご相談ください。
詳細は下記チラシをご覧ください
(電話:434-9885 e-mail: miekata@kgwc.or.jp)

視能訓練室チラシ(PDF)

本年もどうぞよろしくお願いいたします 。
視能訓練室 スタッフ一同

 

👀出前講座「目の疲れ」について④

前回に引き続き、65歳以上を対象に介護予防を実施している事業所から依頼を受けて実施した出前講座「目の疲れ」についてお話します。

前回ブログでは「目の疲れ」には主に4つの原因があることをご紹介しました。
セルフチェックの6.~10.に該当する方はもしかしたら、
「1.ピントが合っていない」原因として「眼鏡が合っていない」可能性があるというお話をしました。

眼鏡の上手な選び方とは


・目的にあった眼鏡の種類を使うことが大切

・見たいものとの距離が大切


眼鏡は見たい目的にあった眼鏡を使用することや,
見たいものとの距離が適切かどうかが大切になります。

たとえば、読書であれば「近用眼鏡」
例:40cmの距離で新聞を読む
   
事務作業でパソコンや手元の資料を見る場合は「中近、近近両用」など
例:テレビを見る距離が2m(中間距離)と本を読む距離が40cm(近距離)
  パソコン画面との距離が60cm(近距離)とキーボードとの距離が40cm(近距離)
   
運転であれば「遠用,もしくは遠近両用」など
例:信号を見る(遠距離)、メーターを見る(近距離)

それぞれの目的に適した種類の眼鏡を選ぶことを大切になります。

今回は近用眼鏡についてお話します。

例えば、読書や、勉強、スマートフォン、PCを見るときなど、近くの距離30㎝で手元の資料などやパソコン画面との距離40㎝~60㎝ぐらいが見やすいという特徴があります。
距離に応じて例えば、30㎝近用や50㎝近用(PC用)など具体的にどのくらいの距離で近用を使いたいかについて、眼科で相談されることをお勧めします。

近用のデメリットは、近用レンズの眼鏡を掛けた状態では、中間距離や遠くが見えづらい点です。

 

 

 

 

 

 

 

近用が適応になる人とは・・・

・累進屈折力レンズ(遠近・中近・近々両用レンズ等)では視線の使い方が難しい人
・手元をしっかり見たい人

焦点が1か所に合うレンズで、近方視野は一番広く、しっかりと手元を見たい人に適しています。

次回も引き続き眼鏡についてお話します。

※倉敷市内の団体を対象に「大人」の見え方に関する出前講座を
 おこなっています。
 見えにくさに気づくチェックポイントや日常生活でできる
 セルフチェックの方法などのお伝えしています。
 出前講座をご希望の方がおられましたら、こちらからお申込みください。

参照:眼科ケア2024年9月号

 

 

 

 

👀出前講座「目の疲れ」について③

前回に引き続き、65歳以上を対象に介護予防を実施している事業所から依頼を受けて実施した出前講座「目の疲れ」についてお話します。

前回ブログでは「目の疲れ」のセルフチェックをご紹介しました。

1~6に該当する方は目の疲れによる主な症状ですが、
当てはまる項目がある方は「目の疲れ」がある可能性があるかもしれません。

その他にも「目の疲れ」にはさまざまな原因があるといわれています。
「目の疲れ」の原因は主に4つあります。
1.ピントが合っていない
2.目の病気が隠れている
3.見る環境が適切ではない
 4.その他(目の酷使,ストレス,体の不調など)
今回は「1.ピントが合っていない」についてご説明します。

前回ブログのセルフチェック6~10にあてはまる方は、
ピントが合っていないかもしれません。

ピントが合っていないかもしれない自覚症状や
日常生活の行動は次のような場合です。
・近くを見ていて、急に遠くを見るとぼやけることがある
・新聞などの小さい文字が見えづらい
・眼鏡の度数を何年も合わせていない
・テレビを見続けると目が疲れることがある
・スマートフォンやパソコンなどを毎日4時間以上使うことがある

当てはまる項目がある方は、もしかしたら
今使用している眼鏡の度数が合っていないかもしれません。
次回は眼鏡の上手な選び方のポイントについてお話したいと思います。

※倉敷市内の団体を対象に「大人」の見え方に関する出前講座を
 おこなっています。
 見えにくさに気づくチェックポイントや日常生活でできる
 セルフチェックの方法などのお伝えしています。
 出前講座をご希望の方がおられましたら、こちらからお申込みください。

 

👀くらしき健康福祉プラザまつりを開催しました

11月23日(土)に「くらしき健康福祉プラザまつり」が
開催されました。🍂

視能訓練室では見え方の大切さを知っていただくため、
見え方に関するパネル展示をしました。
また、見えにくい方のための視覚補助具(白杖や遮光眼鏡など)や
日常生活用具や便利グッズの展示をしました。
こどものことばの発達に関するパネル展示もしました。

その他、スタンプラリーに参加された方には
両目を使って見る大切さを体験していただくため
両目で見ると立体的に見える体験コーナーで
3D体験👁️👁️をしていただきました。

3D体験コーナーでは親子で一緒に参加されている方が多く、
「両目だと浮いて見えるのは不思議」
「両目を使って見ることは大切なんですね」
など見え方について興味をもっていただけました。 

両目を上手に活用できることで
立体的に見えることを体験してもらい、見え方の大切さを啓発できました。

ご参加いただいた皆様、
ありがとうございました。😊

👀出前講座「目の疲れ」について②

「目の疲れ」について介護予防出前講座をさせていただきました。
前回ブログに引き続き「目の疲れ」についてお話します。

みなさんは「目の疲れ」で気になる症状はありますか?

最近「目の疲れ」で気になる症状がいくつあるのか、自己点検してみましょう。

チェック項目は全部で20項目あります。

  1. 目が重く感じることがある。
  2. 目の奥が痛いことがある。
  3. 目を開けていると辛くなることがある。
  4. 目のまわりが熱く感じることがある。
  5. まぶたがピクピクすることがある。
  6. 近くを見ていて、急に遠くを見るとぼやけることがある。
  7. 新聞などの小さい文字が見えづらいことがある。
  8. 眼鏡の度数を何年も合わせていない
  9. テレビを見続けること目がとても疲れることがある。
  10. スマートフォンやパソコンを4時間以上使うことがある。
  11. 目がしょぼしょぼする、ゴロゴロすることがある。
  12. 目が乾いた感じがする。
  13. 目が充血することがある。
  14. 涙がよく出る。
  15. 目がかすんで見えることがある。
  16. 屋外に出るとまぶしく感じることがある。
  17. 目が疲れて首や肩がこることがある。
  18. 目を使いすぎると頭痛や吐き気がすることがある。
  19. 全身がだるくて疲労を感じることがある。
  20. 睡眠不足を感じることがある。

※6~10の項目については眼鏡をかけた状態で、該当するか
チェックしてみてください。

みなさんはいくつ該当しましたか?
何個あてはまったかによって疲れ目の度合いがどの程度かチェックしてみてください。

0~2個の方 →疲れ目度 小
3~8個の方 →疲れ目度 中
10個以上の方 →疲れ目度 大

目の疲れにはさまざまな症状がありますが、
実は該当する症状によって疲れ目の原因は異なるといわれています。

次回ブログでは「疲れ目の原因」についてお話します。

 

👀いきいきふれあいフェスティバルに参加しました

10月20日(日)に倉敷市水島緑地福田公園で
いきいきふれあいフェスティバルが開催されました。🍁

今回は「見え方・ことばのコーナー」で参加しました。

子どもと大人の目の健康に関するパネル展示と、
こどものことばの発達に関するパネル展示をしました。

今回はいきいきふれあいフェスティバルでは初めて
子ども対象で、物が立体的に見えることを体験できる
3D体験コーナー⭐を用意しました。

お子さんは興味を持ちながらどのような絵が浮いて見えるか

見て触りながら、楽しく体験してもらいました。🙂

参加者の方からは「白内障といわれ、目薬を差しているが、
かすんではいないが、進んでくるとかすんで見えることがあるんですね」

「黄斑変性というのはまっすぐのものが歪んで見えるんですね」

などの感想をいただきました。

今回のイベントでは参加者の方から目に関する相談などもあり、
正しい知識を啓発することができました。

たくさんの方に参加いただき、ありがとうございました。😊

👀10/5(土)に見え方お助けグッズ展を開催しました

「見え方お助けグッズ展」では倉敷市在住の見えない・見えにくい方や
そのご家族や福祉関係者の方々、
開催にご協力いただいたボランティアの方にも
お集まりいただきました。

前半ではミニ講座:「見えない・見えづらいことについて
~ヘレンケラーの言葉から、幸せな人生を考える~」
というテーマで視覚障がい当事者の岡本 昇氏に講演していただきました。

ご自身の体験談や便利な情報機器の活用方法など貴重なお話をしていただきました。
皆さん熱心に聞いておられました。

その後、初めての取り組みとしてご希望の方のみ
「健康ウォーキング体験会」を行いました。

見えにくい、見えない方の運動する機会として、
当事者の参加者やご家族と、ガイド役として学生ボランティアも参加し
一緒に歩く体験をしました。
秋晴れ🍂で気候もちょうど良く、プラザ公園を周回しながら、
皆さん楽しく会話しながらウォーキングをされていました。🚶‍♂️🚶‍♀️🚶

便利グッズのコーナーでは・・・

岡山県視覚障害者自立支援センターでは見えにくい方でも
必要な分量を出せる便利グッズとしていろいろな種類の調味料入れや
見えにくい方でも爪を手入れできる爪やすり、
文字を拡大して読める携帯型拡大読書器、
音声体重計や音声腕時計など便利グッズが展示されていました。

岡山盲学校のコーナーではデイジー図書を音声で聞くことができる再生機(プレスクトーク)や点字ができる点字器や学習で役立つ拡大教科書や点字教科書、
囲碁、将棋、罫プレートなどが展示されていました。

保健福祉相談室のコーナーでは杖や日常生活で立ち座りのサポートをする手すりや
車いす、シルバーカーなど展示がありました。

どのコーナーでも参加者の方々は、説明を熱心に聞きながら興味深く、
実際に見て触ったり、操作したり、
いろいろな体験されていました。😄

参加者の感想として
「当事者の話がおもしろかった」
「料理などいろんな便利グッズが展示されているので、使ってみたいと思った」
などのお声をいただきました。

今回「見え方お助けグッズ展」にご参加いただいた皆さん、
ご協力いただいたボランティアの皆さん、ありがとうございました。😊

 

 

【ミニ講座講演の様子】

 

 

 

 

【岡山県視覚障害者自立支援センターの展示コーナー】

 

 

 

 

【保健福祉相談室の展示コーナー】

 

 

 

 

【岡山盲学校の展示コーナー】

 

 

👀出前講座「目の疲れ」について①

「目の疲れ」について介護予防出前講座をさせていただきました。

そこで今回ブログから「目の疲れ」をテーマにお話しをしたいと思います。

また目の疲れ原因について複数回に分けてご紹介させていただきます。

皆さんはどんなときに目を使っていますか?

脳の情報の約80%以上は視覚を通して集められるといわれています。
例えば・・・
新聞を読んだり、お料理をする、ご飯を食べる、買い物に出かける、運転するなど
朝起きてから寝るまでほとんどの日常生活は目から情報を得ています。

このように日常生活と目は大きな関わりがあります。

また、目を酷使することでさまざまな自覚症状もおこります。

次回は「目の疲れ」に関係がある症状について項目をいくつかご紹介します。

ご自身があてはまるものがいくつあるのか「セルフチェック」してみてください。

次回ブログもぜひご覧ください。