前回に引き続き、65歳以上を対象に介護予防を実施している事業所から依頼を受けて実施した出前講座「目の疲れ」についてお話します。
目の疲れの原因の一つとしてピントが合っていないことがあります。
現在使っている眼鏡が合っていないと「目の疲れ」の原因となることがあります。
そこで大切になるのが、見たい目的にあった眼鏡を使用することや
見たいものとの距離が適切がどうかということがポイントになります。
眼鏡には見える範囲(距離)が異なるさまざまな種類があります。
前回ブログでは「遠近両用レンズ」についてお話しました。
今回は「中近両用レンズ」についてお伝えします。
中近両用レンズは、中間距離と近方を見やすいようにしたレンズです。
遠用部も少しあり、中間部(40㎝~2mぐらい)から近用部(30cmぐらい)が広いという特徴があります。
遠近両用レンズとレンズ設計は似ていますが、
遠近両用レンズと比べて、中近両用レンズは歪みが少なく
中間部から近用部の面積が広いため、パソコン作業をはじめ、
屋内などの移動に伴う室内業務や家事などに適したレンズです。
中近両用が適する人は・・・
PCなど50㎝程度の近距離と室内全体の中距離の両方にピントを合わせたい人、
理容業の人などに適しています。
遠近両用との違いについて・・・
「遠近両用レンズ」は遠くから近くまでピントが合うように作られているため、
レンズの中での度数の変化が大きく歪みが大きいレンズになります。
一方、「中近両用レンズ」は中間から近くまでとレンズの度数の変わり方が緩やかになっているため歪みを感じにくく、中間距離から近くまで遠近両用眼鏡に比べて視野が広いという特徴があります。
近々両用との違いについて・・・
以前にご紹介した「近々両用レンズ」と「中近両用レンズ」との違いは
「見ることができる奥行と幅」です。
中近両用レンズは手元から室内全体にピントが合います。
「近々両用レンズ」は室内全体にピントを合わせることはできませんが、手元を見る幅が広いレンズです。
「中近両用レンズ」のメリットは歪みが比較的に少ないことや
中間距離(40㎝~60㎝)の視野を広く確保できるため
例えばある程度距離のあるデスクトップのパソコン作業をされる方や
室内で過ごす時間が多い方にとっては便利になります。
「中近両用レンズ」のデメリットは、遠くがはっきり見えるわけではないため、
遠くを見るためには、遠用の眼鏡が別に必要になるという点です。
中近両用眼鏡をかけて、運転するのは危険です。
これまで、「遠近両用・中近両用・近々両用・近用」など
さまざまな眼鏡の特徴についてご紹介させていただきました。
使用する方の目的に合った眼鏡(目と対象物との距離はどのくらいか)
見たい幅に合った適切なレンズを選択することが大切です。
レンズにはさまざまな種類がありますので、どんな眼鏡が
適しているのかについて迷われている場合は
かかりつけの眼科で相談することをお勧めします。
目の疲れを予防するため、上手に眼鏡を活用しましょう。
次回も引き続き「目の疲れ」についてお話します。
※倉敷市内の団体を対象に「大人」の見え方に関する出前講座を
おこなっています。
見えにくさに気づくチェックポイントや日常生活でできる
セルフチェックの方法などのお伝えしています。
出前講座をご希望の方がおられましたら、こちらからお申込みください。
参照:眼科ケア2024年9月号