視覚障がいQ&A

視覚障がい者の理解を深めるためのQ&A

Q1. 視覚障害には、どのような種類がありますか?

A1. 視覚障害は、大きく「全盲」と「弱視(ロービジョン)」の2つに分かれます。

(1)全盲:視覚による情報を全く、あるいはほとんど得ることができない状態です。
   全く光を感じない状態から、明暗がわかる状態、目の前の手の動きがわかる
   状態まで含まれます。

(2)弱視(ロービジョン):眼鏡などをかけても視力が低い、あるいは視野が
   狭いなど、見えにくさのために日常生活に不自由を感じる状態です。
   文字の拡大や補助具などを使用して、残っている視力や視野を最大限に
   活用します。視覚障害の中で最も多くの割合を占めています。

 

Q2. 「弱視(ロービジョン)」には、どのような見え方の特徴がありますか?

A2. 弱視(ロービジョン)の見え方は、原因となる病気や障害の部位によって様々です。

主に以下の4つのタイプに分けられます。

(1)視力障害:ものがぼやけたり、かすんだりして、はっきりと見ることが
        難しい状態です。

(2)視野障害:見える範囲(視野)が狭くなる障害です。

  • 求心性視野狭窄(きゅうしんせいしやきょうさく):視野の周辺部が欠け、中心部分だけが見える状態です。筒の中からのぞいているような見え方で、移動中に人や物にぶつかりやすくなります。
  • 中心暗点(ちゅうしんあんてん):視野の中心部が見えにくくなる状態です。本や新聞など、一番見たいところが隠れてしまい、文字を読むことが困難になります。

(3)色覚障害(しきかくしょうがい):特定の色の組み合わせを区別するのが
   難しい状態です。多くの場合は「白黒に見える」わけではなく、
   特定の色がくすんだり、別の色に見えたりします。

 例えば、焼肉をするとき、生肉の赤い色と焼けてきた茶色い色の区別がつきにくく、焼き加減が分かりにくいことがあります。

(4)光覚障害(こうかくしょうがい):光の感じ方に困難がある状態です。

  • 羞明(しゅうめい):光を非常にまぶしく感じ、晴れた日の屋外などでは痛みを感じて目を開けていられないこともあります。
  • 夜盲(やもう):暗い場所や夜になると、ものが見えにくくなる状態です。

 

Q3. 視覚障害の程度は、どのように分けられていますか?

A3. 日本の身体障害者福祉法では、視力と視野の状態に基づき、障害の程度が1級から
  6級までの等級に分けられています。数字が小さいほど障害の程度が重く、
  1級が最も重度の等級となります。この等級によって、受けられる福祉サービス(例:補装具の購入補助、税金の控除、公共交通機関の割引など)の内容が異なります。

 

Q4. 視覚障害は見た目でわかりますか?

A4. 必ずしもそうとは限りません。特に弱視(ロービジョン)の方は、白杖
 (はくじょう)を持っていないことも多く、外見からは障害があることが
 分かりにくい場合があります。天候や体調によっても見え方が変わるため、
 「見えにくさ」は周囲から気づかれにくいという課題があります。

 

Q5. 外を歩くとき(移動)は、どのようなことに困りますか?

A5. 人や障害物との衝突、駅のホームや階段からの転落、段差でのつまずきなど、
 危険を伴うこともあります。点字ブロックの上の障害物も、安全な歩行を妨げる
 大きな原因となります。また、駅の案内表示やバスの行き先など、目で見て
 確認することに困難を感じることがあります。

 

Q6. 買い物や食事のときは、どんなことに困りますか?

A6. 商品を探したり、値段や表示を確認したりすることが難しいです。
  お札や硬貨の区別、タッチパネル式のセルフレジの操作にも苦労します。
  飲食店では、メニューを読んだり、テーブルの上の食器の位置を把握したり
  することが困難な場合があります。

 

Q7. 家の中では、どのようなことに困りますか?

A7. 慣れているはずの自宅でも、包丁や火を使う調理、郵便物や書類の確認、
  家電製品の操作など、困難なことは多くあります。

 

Q8. コミュニケーションで困ることはありますか?

A8. 人の顔や表情が分からないため、知り合いに気づかず通り過ぎてしまったり、
 相手の感情を読み取ることが難しかったりします。身振り手振りや、
 「あちら」「そちら」といった指示では意図が伝わりません。
 また、複数人いる場面で名前を呼ばれずに話しかけられると、
 誰に話しているのかが分からないこともあります。

 

Q9. 視覚障害のある方は、どのような工夫をしていますか?

A9. 「拡大する」「触る」「聞く」などを最大限に活用しています。
  例えば、拡大鏡や拡大読書器で文字を拡大して確認したり、
  お札の長さや識別マークを触って金額を判断したり、
  スマートフォンの読み上げ機能や、音声案内機能付きの信号機・家電を
  活用したりしています。
  また、移動時の安全を確保するための白杖や、まぶしさを軽減するための
  遮光眼鏡といった様々な道具も重要な役割を果たしています。

 

Q10. 私たちにできるサポートには、どのようなことがありますか?

A10. まずは「何かお手伝いできることがありますか?」と声をかけることが
  第一歩です。どのようなサポートが必要かをご本人に確認することから
  始めていただければと思います。

具体的なサポートの工夫としては、

  • 「あちら」「そちら」などの指示語は避け、「3メートル先に下り階段があります」のように、具体的に言葉で説明することが有効です。
  • コップや椅子など、物の位置を本人に確認せずに動かすと、トラブルの原因となることがあります。むやみに物の位置を変えず、もし変える必要がある場合は、必ず「〇〇を少し右に動かしましたよ」のように声で本人に伝えるようにしましょう。

サポートの小さな配慮が、視覚障害のある方だけでなく、誰もが安心して暮らせる「心のバリアフリー」社会の実現に繋がると考えています。