児島児童館で言語相談を行います!

 児島児童館にて

 言語聴覚士がお子さんのことばについての個別相談を行います。

 ことばがなかなか増えない,はっきりとしゃべれない,吃音がある…

 普段気になっているけど、なかなか相談できないな…

 そんなお悩みがあればぜひご相談ください。

 相談をご希望の方児島児童館にお問い合わせください。

 

 日時:令和4年9月16日(金)10時~11時30分

 対象:0~3歳児の親子

 場所:児島児童館

 問い合わせ: 児島児童館 

 電話 086-473-2844

 

譲り合う 

「あとでね」「これ(おかず)たべたら、バナナをたべようね」などの声掛けがわかかり始め交渉表現を理解し始める年齢は2歳前後です個人差は有ります)

そして、

こどもが交渉表現を使い始めるのは、3~4歳代以降です。(個人差は有ります)

当施設でよくある親子の交渉風景です。

こども「こうえん、いきたーい」

おかあさん「おべんきょう終わったらね。」

こども「おべんきょうのあとに、こうえん いい?」

おやこ「おやくそくだね」 😛 😛 

 

交渉には

ルールを守ること、気持ちの折り合いをつける能力が必要です。

日ごろから こども、大人 どちらかが一方的な言うことに従う関係性ではなく相互的な関係性をつくっておくことが前提になります。

譲り合うことや約束を守る経験を積むと互いの達成感につながっていきます。

話は戻りますが、もしお勉強後にこどもがこうえんに行く約束を忘れていた場合

(可能な状況ならば)

「こうえんに行くお約束はもういいの?」と振り返りを促してみてください。

お互いに約束を守ろうとすること、お互いに気持ちの折り合いつける経験は大事です。

 


約束を守れない、こどもが納得できない(気持ちのコントロールが難しい)時は、「おかあさんも、残念だよ。」等、きもちを共感すると切り替えやすくなるかもしれません。

「またね。」「今度はできたらいいね。」「つぎは、お約束ね。」等、見通しを持たせる言い方で伝えてあげてください。

要求がない、やりたそうだけど自分から言えない等、こどもの場合は自分で選ぶ自発的な言動をする)経験を積むことから行ってください。(インリアルアプローチコミュニケーションを豊かにするために①:参照

少し我慢してもよかった、楽しかったという経験を積み重ね交渉が上手にになると思います。

まずは親子でやってみてください。

自分のしたいことが100%思い通りにならないのは、こどももおとなも同じです。

交渉表現を含んだやりとりが大人とできると、こども同士でもできるようになっていくでしょう。

 


参考書籍:湯汲英史,小倉尚子,一松麻実子,藤野泰彦:発達障害のある子どもと話す27のポイント わかりたい気持ちを高めるために,かもがわ出版,2011

関連ブログ:                     

インリアルアプローチコミュニケーションを豊かにするために①

 

所属園及び学級閉鎖中の来所について

お子様の所属されている園、学級閉鎖が実施されている期間は言語聴能訓練室への来所をお控えください。

お電話にて予約の変更が可能です。

訓練の方は、リモートでの対応も可能です。担当にご相談ください。

ご理解のほどよろしくお願いします。
 

 言語聴能訓練室 086-434-9881

はつおんあそび③お口ジャンケン

【はつおんあそび】第3弾

【お口ジャンケン】を紹介します

お口の体操より動きは少ないですが、遊びながら少しでも楽しくお口を動かす練習が出来たらいいなと思います。

【対象】 4歳以降

【ねらい】 

 唇や舌の動き向上
 唇や舌を意識する

【やりかた】

 ぐー(タコのくち)

 ちょき(ベロをだす)

 ぱー(くちをあける)

 グーチョキパーの口の形を確認する。
 「じゃんけん」の掛け声でジャンケンをする。

口の形をしっかり止めて、お互いに見るように気を付けましょう。
ベロを出す時は、口をしっかり開いてベロの力だけで動かすとより効果的です。

グーチョキパーの口の形を変えて、色々な動かし方をしてみましょう。

「どっちだ?」 

家でも外でもできるかんたんな「どっちだ?」遊び

 

片方の手に隠したおもちゃや石などを探し当てる遊び

目の前の物がなくなったことに気付き始める頃から楽しむことができます。

[対象]  8~9ヵ月以降~

[ねらい] 注目する 指さしで応答(選択)する  期待して待つ

[やりかた]

 

 

 

片手に物を握り、もう片方は空のまま手を握る。

子どもに握った両手をみせ どっちの手にあるかを探す。

んだ方から手を開き、一緒に反応を楽しむ。

ポイント

注目できない場合は隠す様子を見せる。

わざと隠したものをみえるようにしておく、

手を一旦後ろに回して手を出す等、難易度を変えて繰り返し楽しめるようにする。

すぐ口に入れる子どもは誤飲には十分気を付けてください。

 

食べる⑥ステップアップのサイン

離乳食の開始のサイン

哺乳反射(探索反射、吸啜反射)が消えてきて、ミルク以外の食物に興味を持ち始めた頃。

首が座り、赤ちゃん用の椅子に自分ですわっていられることが出来るようになってくる頃に始めましょう。

この頃は、上唇はほとんど動きません。舌を前後に動かしちゅーちゅーと吸うような動きや、下唇をパクパクするような動きをします。

中期に進むサイン

徐々に唇がしっかりと閉じられ、口角が左右にキュッキュッと引っ張られるような動きが出来るようになったら、舌と上あごで押しつぶして食べることができるようになっています。

後期に進むサイン

さらに、食べ物が入ってきた時に唇を閉じて、口角が片方に縮んだりずれたりするようになれば、柔らかい形のあるものをすりつぶしたり噛んだりできる準備が始まっています。

その子の成長ペースに合わせて、安全に気を付けて自分で食べることも見守りながら美味しく、楽しく食べる経験を積んでいきましょう。


参考書籍:金子芳洋ほか,上手に食べるために(発達を理解した支援),医歯薬出版株式会社,2005

いないいないばー

ことばがまだ出ていない小さな子でも楽しめる遊びに「いないいないばー」があります。

顔を手で隠して、顔を出す。
たった、それだけの単純な遊び。
赤ちゃんの遊びですが、言葉の発達に大切なことが詰め込まれた遊びなんです。

「いないいないばー」は
自分という存在に気づき、大人との視線を交わすことが出来るようになってくること、そして隠れているものがそこにあり続けることが分かることが大前提となります。

「いないいない」と聞くと遊びが始まることを期待します。
手で隠れて顔が見えなくても、手の後ろには大好きな人の顔があることが分かっているから顔が出てくることを予期して、同じ場所を注視し続けることが出来ます。
さらに、期待予期したことが実際に起きたことで楽しいと思う事が出来るのです。

他にも、こどもが顔を隠している大人の手に自分の手を伸ばして顔を見せる事を要求するやり取りをいれてみたり、いないいないばーをする人が変わったり、隠れているものをぬいぐるみにしてみたりバリエーションを付けても楽しめるようになります。

 

「いないいない」と言うと遊びの始まりの合図で大人の顔を見る。

    ↓

顔を手で隠す。

    ↓

顔が出てきて終わり。

という一連のルールを理解できるかも、この遊びを楽しめる要素になります。

これらの事は全部、もっと大きくなって誰かと会話を楽しむ為に必要な能力の一部です。

「いないいないばー!」

たったこれだけのやり取りに、こんなにたくさんの事が詰め込まれているのですから
日常の生活の全ての事、何気ないやりとりや遊びにも沢山の言葉を発達させていく為に必要なことが散りばめられています。
講話でもお話させていただいていますが、普段の生活の中で丁寧な声掛けと色々な体験を親子や園などで積んでいけるといいですね。


参考文献:

竹田契一,里見恵子,子どもとの豊かなコミュニケーションを築く インリアル・アプローチ,1994

関連記事:インリアルアプローチ

インリアルアプローチ

「こどものことばを増やすために何をしたらいいですか?」「こどもと会話ができない」と相談されることがあります。

「話しかけても続かない」と感じる場合は、会話よりも、やりとりに注目してみてはどうでしょうか。

こどもとの相互的なコミュニケーションを学習し促進するためのアプローチ、インリアルアプローチを参考に、まずはやりとりすることの楽しさについて感じて欲しいと思います。

インリアルアプローチには、大人の基本姿勢ーSOUL(ソウル)ーとして

Silence 静かに見守ること 

Observation よく観察すること 

Understanding 深く理解すること 

Listening 耳を傾けること  

を挙げています。SOULは言語訓練でもこどものもっている力を知るために必要な関わり方です。

他に、

🍎お互いに伝えたい意欲がある

→好きなことや知ってること、園や学校でしたことや聞いたことなど興味の有無によって反応は異なるので話しやすい内容がいいでしょう。

🍎表現は、ことばじゃなくてもOK 視線や指さしでもうなづきでもいい

→ことばにこだわりすぎないことは重要です。

🍎こどもが使っている表現方法(ことばやジェスチャー)を使っておとなが話すこと

→こどもの言語レベルにあわせることで、やりとりが続きやすくなる。

🍎どんな内容も受け入れる気持ちが大事。失敗やトラブルなどの話になっても、問い詰めたりしない。

🍎「わからん」、何も言わない等の反応に対して質問攻めにしない。一方的な関係性にならないように気をつける。

→こどもの苦手なことや、かなしいことを最後まで聞いてあげるだけでも意味があります。(=伝えたい気持ちを優先する)一緒に受け止めることが大事です。

🍎こどもの反応を待ってあげること

→こども自身が考え、表現することが大事です。

おこさんからの質問があると、会話はさらにふくらんで続いていきますね。

「たくさんおはなしできたね。また、しようね。」と振り返ってみる。

🍎目標は楽しむこと

→日常場面でやりとりの回数を増やす、いつもと違う反応を引き出すなど

やりとりを楽しんでください。

 


参考書籍:

竹田契一,里見恵子,子どもとの豊かなコミュニケーションを築く インリアル・アプローチ,1994

湯汲英史,小倉尚子,一松麻実子,藤野泰彦,発達障害のある子どもと話す27のポイント わかりたい気持ちを高めるために,かもがわ出版,2011

食べる⑤発達は順番に

体の発達と同じように、食べる機能にも発達の順番が有ります。

お口の動きは、体の動きの発達に比べて見えにくいため、どのくらいの成長段階なのか分りにくいですよね。
ハイハイをしている赤ちゃんが走れないのと同じで
お口の発達が未熟な子に大人と同じものを食べさせるのは無理があります。

例えば、離乳食を始めたばかりの赤ちゃんには、おにぎりやパンはまだまだ食べられません。

育児書に書かれた離乳食の時期を参考にしつつ、子どもの口の動きからどの時期に食事を進めていくかを決めていけるといいですね。

食べる機能の発達

時期は個人差がありますが、発達の順番は下のように進みます。
体の発達と同じように一気にジャンプして、突然大人と同じご飯が食べられるようにはなりません。

正しい「食べる動き」を繰り返して経験することで、ゆっくり時々休みつつ、その子のペースで発達が進んでいきます。


  哺乳期   ミルクを吸って飲む
         
離乳食初期   唇を閉じて、食べ物を取り込んでから飲み込む。
         ↓
離乳食中期   舌と上あごで押しつぶす
         ↓
離乳食後期   歯や歯茎ですりつぶす


参考書籍:金子芳洋ほか,上手に食べるために(発達を理解した支援),医歯薬出版株式会社,2005

食べる④歯みがきは食べるを育てる準備

乳歯は、抜け替わるから虫歯になってもいい、というものではありません。
虫歯が進行していくと歯の痛みだけでなく歯が溶けていきます。

そうなると、前歯で食べ物をかじりとれなくなったり、奥歯で食べ物をすりつぶせなくなります。
食べにくさや、痛みから柔らかい物しか食べられなくなってしまいますよね。
唇や舌を使う経験をする機会をみすみす減らしてしまうのです。

「歯磨きを泣いて嫌がるからできない。」
と思われている方もいるかもしれませんが、子どもは自分からお口の中に物が入ってくる練習を指しゃぶりや玩具しゃぶりでもしていますので、スモールステップで歯磨きに慣れていきましょう。
しっかり見守りができる環境であれば歯ブラシを子どもが自分で持ってもいいでしょう。口の奥に突き刺さりにくく設計された歯ブラシが今は発売されています。

「初めての歯ブラシ」と検索してみてお子さんに合ったものを探してみてくださいね。

まずは、玩具かじりのように安全に配慮された設計の歯ブラシを自分でなめたりかじったりするところから始めてみるといいかもしれません。

機嫌がいいときに、大人が手伝いながら少しずつ慣れていきましょう。

美味しい味の子ども用ハミガキペーストもいいですね。

 

歯磨きを始めるのに「早すぎる」はありません。

歯磨きをどうすすめていけばいいか悩んだ時は、市の乳幼児健診などを機会に歯科医師や歯科衛生士の方に相談してみるのもいいでしょう。

 


関連記事 発音を育てる(うがい)

参考書籍:金子芳洋ほか,上手に食べるために(発達を理解した支援),医歯薬出版株式会社,2005