今日は「吃音の話① 基礎知識」についてお話します。
吃音(きつおん)とは ? 言いたいことがあるのに、そのことばがスムーズに話せないことです。一般的にはどもるともいいます。
たくさんのことばを覚え、おしゃべりが増えてくる2歳~5歳頃に始まることが多く、幼児の約20人に1人の割合でみられます。
ことばがどもるとは、
繰り返し(=ことばの一部をくりかえす)、
例:「ぼ、ぼ、ぼく」
引き伸ばし(=ことばを引き伸ばす)、
例:「きーーーのうね」
難発(=なかなかことばがでてこない)、
例:「・・・・・・ありがとう」
等の症状のことを言います。
また、話す時に手を振る、足踏みする、顔をゆがめる、力む、話すのをやめてしまう等の随伴症状もあります。
特徴に、話しやすいことばや話しにくいことばがあります。
日や場所によって、出たり、出なかったりと変動します。
吃音には波があります。
吃音になる原因は ?
はっきりとわかっておらず、確実な治療法も確立されていません。
吃音の相談で、よくある質問に
「母親が妊娠中で関わる時間が減ったから…」、「引っ越ししたから…」「両親が仕事に行き始めたから…」、「トイレトレーニングをしすぎたから…」等
環境の変化や両親のしつけについてが原因ではないか?と尋ねられますが、それは違います。
吃音がではじめたきっかけと原因は関係ありません。
親の接し方やストレスで吃音になったという考えは誤りです。
吃音は治るの ?
約8割は自然治癒しますが、2割のお子さんは幼児期を過ぎても吃音が続くといわれています。
吃音が続く可能性が高いお子さんの特徴として「女の子より男の子」、「家族に吃音のある人がいる」「吃音が始まってから3年以上たっている」が挙げられていますが、予後については予測不能です。
吃音にはまだまだわからないことが多く症状が変化する為不安になるかと思います。
ただ、お子さんは日々成長しています。覚えたことばを伝える経験は重要です。
この時期は、吃音症状があっても、一喜一憂しないことが大切です。
話し方ではなく内容やお子さんの話したいことに注目してみてください。
吃音があってもなくても言いたいことが最後まで言える、
また 話したいきもちを育てることが重要です。
では、聞き手となる私たちがどのように関わっていけばよいか?
次回は、「吃音の話 関り方について」「吃音の話 お話できる環境づくり」の話をしたいと思います。
【おすすめ吃音関連サイト】以下リンクは外部サイトに移動します。
全国言友会(吃音(きつおん)のある人のセルフヘルプグループ)
参考書籍: 菊池良和, 吃音のことがよくわかる本, 講談社, 2015年
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