吃音②吃音の問題(指導者向け)

こんにちは、言語聴覚士Sです。

前回は、吃音の症状について書かせていただきました。

今日は、吃音の原因と吃音による問題についてです。

吃音の発症原因

 結論から書くと、吃音の発症(発吃)の原因は不明です。

 今のところ「脳の働き方のくせ」と「ことばの急速な発達を促す環境」などが複数からみあっていることが分かってきています。

 

古くに言われていた

・左手強制をした為

・弟妹ができたための愛情不足

・激しく怒りすぎてしまったこと等虐待の兆候

・引っ越しが多く、環境が落ち着かない

・性格の問題

・運動発達の問題

・言葉が流暢でない事を本人に意識させたから

・吃音の真似をしたから

・身近に吃音の人がいたからうつった

これらは、研究によって否定されています。


「吃音」の問題

 
吃音の問題には、大きく「言葉の問題」と「話し手の心理的な問題」、「周囲の誤解や偏見、過剰な反応による問題」 と分けられます。

言葉の問題」とは、前述した言葉の繰り返し、引き伸ばし、難発等のいわゆる「どもる」話し方の問題。

 

話し手の心理的な問題」とは、吃音によって、話す前に「うまく話せなかったらどうしよう」と不安になったり、吃音の症状が出たことで、落ち込んでしまったりする等の問題。

 
周囲の誤解や偏見、過剰な反応による問題」とは、吃音の話し方を「へん」、「おかしい」ものとしてからかいやいじめの対象としたり、「どもりは頭が悪い」「どもりはうつる」など科学的な根拠のないことをもとに吃音に対応したり、「ふざけている」「滑らかに話す努力をしていない」と本人の対応不足だと責めたりすること等の問題。

大きく分けて、これら3つを軸に吃音の問題の大きさをとらえていきます。

吃音の症状を根本的に治療することは難しくても、吃音による問題を軽減していくことは可能だと考えられます。

問題の大きさを3軸でとらえる

         菊池良和(2015)吃音のことがよくわかる本 講談社まず聞き手が、内容に注目して話をするようにする。

話し手は、吃音が出ても、内容を評価されることで話す意欲をなくさないでいられる。

聞き手が吃音でも大丈夫という姿勢で向き合いつづけていることで話す意欲を失わず、積極的に話しをすることができ、吃音の症状も軽減すると期待できます。また、話し方が変わらなくても悩みを減らすことは出来ます。

努力や訓練で吃音の症状はゼロにはなりません。聞き手である先生やクラスメイトの反応を改善することが、もっとも大切になります。

次回は、学齢期の吃音の特徴吃音以外も気になる子どもについて知っていただきたいと思います。

【おすすめ吃音関連サイト】以下リンクは外部サイトに移動します。

吃音ポータルサイト

吃音ラボ

全国言友会(吃音(きつおん)のある人のセルフヘルプグループ)

参考書籍: 菊池良和, 吃音のことがよくわかる本, 講談社, 2015年

     吃音のことがよくわかる本