こんにちは、言語聴覚士Sです。
発音が上手になる為には体を動かすことも必要。発音の練習をする為には、身近でない人の言ってることばの意味も正しく読み解き、分かることが必要だとお話しました。実はまだまだ必要な力があります
自分の発した「ことば」に間違いがなかったかチェックする力です。
言えているか言えていないかがわかる
発音の練習を進めて行く上で、自分が「発音したい音」と「発音した音」が違っている事に気づいているかがとても重要になります。
自分で正しく言えているかをチェックできなければ練習しても普段の生活で正しい発音を言えるようになかなかなりません。
自分は「ねこ」と言いたいのに「ねと」になってしまう。だから、ことばの練習をするんだと、子どもなりに発音の練習に取り組む意味にもなります。
言語聴能訓練室に相談にこられるお子さん達も、発音の誤りを周囲から指摘されてうまく発音出来ていないことは気付いていて、「言いにくいことばがある」と構音検査(発音の検査)の前に言ったけれど、構音検査の後にSTが「今日は言いにくい言葉あった?」とたずねると音の誤りに気づかず「(言いにくい言葉は)なかった」という事はよくあることです。
指摘や言い直しはさせないで
だからと言って発音が違う事を発音の練習をする前から指摘しないようにしましょう。
お家では、誤った言葉は大人がさりげなく正しい言葉で言い換えるなどして、正しい音を聞かせてあげましょう。そうすることで正しい発音と自分の発音を比べる機会をつくることができます。
例)🐈子:「あ、ねとだ」→親:「ねこだね~」
子どもには「言いたいことが伝わった」という思いを沢山経験させてあげてください。話すことが楽しいという経験を沢山重ねて、話す意欲も育ててあげることで積極的に発音の練習に取り組む気持ちを育てる為の土台も作ることが出来るからです。
参考文献
中川信子,子どものこころとことばの育ち―親子を共に支援するために,日本小児耳鼻咽喉科学会総会,2013
日本言語聴覚士協会,言語聴覚療法臨床マニュアル,協同医学書出版社,1992