年を重ねると、耳が聞こえにくくなることがあります。これを「加齢性難聴」といいます。加齢性難聴になると、人との会話が減り、外に出る機会も少なくなりがちです。その結果、体を動かすことが減り、筋力が落ちてしまうことがあります。これが「フレイル(虚弱)」につながる可能性があるのです。
特に、75歳以下の元気な方では、加齢性難聴が原因で活動量が減り、フレイルになるリスクが高まると考えられています。
でも、心配はいりません。自分に合った補聴器を使い、きちんと調整してもらえば、会話や地域の活動に参加しやすくなります。人と話すことや外出することが増えれば、心も体も元気になります。
聞こえが悪くなることで、周囲の話が分かりづらくなり、会話についていけないことが増えてくるようになります。
また、話しかけられても一度では聞き取れず、何度も聞き返すことが増えてしまい、人との会話を避けがちに…。
聞き返した際に、ただ大きな声で話されて、余計に聞き取りづらく、イライラしやすくなったりしていませんか?
また、ご家族にテレビやラジオの音量が大きすぎると注意されることが増えているようなら要注意です。
聞こえづらさが進むと、人と話すことが面倒になったり、外出の機会が減ったりすることで、気持ちがふさぎ込んだり、頭がぼんやりしてくる可能性もあります。
最近、ご自身やご家族で耳の聞こえが気になる方は、早めに耳鼻科の医師と相談しながら早めに対策していくことをお勧めします。
対策の1つ補聴器は、元気な毎日を支える大切な道具です。

参考文献
1,一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
[https://jibikaikai.or.jp/info/hearing/](最終閲覧日:2025年9月30日)
2,小川高生ほか,一般般地域住民におけるフレイルと聴力の関連,日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会126 巻 (2023) 12 号