0~3歳児対象のことばの講話に参加した親御さんから、
「生まれたばかりの赤ちゃんに何を話しかければいいかわからない。」「父親から、ことばがまだわからない時期に話しかける必要があるのか、尋ねられて困った。」と質問されました。
赤ちゃんは泣くことが仕事といわれているように、泣くことで私たちにいろんなことを伝えています。
泣くというシンプルな発信がさらに発達する(指さしやことばを使う)為には、赤ちゃんからの働きかけ対してに大人が適切な刺激を与えてあげることが必要なのです。
こどもの聴覚は妊娠中から発達し始めている為、
聞き覚えのある声で赤ちゃんに話しかけると
親子の信頼感や安心感が育ち、それがコミュニケーション力(伝えたい気持ち)へとつながっていくのです。(こどものお話しする力 ことばの3要素参照)
ミルクをのませる時、オシメをかえる時などの、お世話している時に実況中継をしているように話しかけてみてください。
ポイントはゆっくりと抑揚のついたやさしい口調で。微笑むことで口角が上がり声も高くなります。
目が合ったら見つめ合って「ふふふっ」と笑うだけでも十分ですし、
抱っこなどのスキンシップをとりながら歌をうたって声をきかせてあげるだけでOKです。
信頼と安心を積み重ねていくことです。
ちなみに実況中継とは、アナウンサーのように多弁で早口でしゃべる必要はありません。
例えば、オシメ替えの時には「はーい、足をあげますよ。」と言ってから足を上げる。「おしり、ふくよ~。」「きもちいいね、おわり。」などお話してください。
ミルクの時は「ゴク、ゴク、おいしいね。」「あとすこし、ゴックン、おしまい。」
子育てに慣れない頃は お世話しながら話しかけるのは大変ですから、
育児する人が疲れている時は無理しないでくださいね。
参考資料:NHKすくすく子育て 育児ビギナーズブック⑤
「ことばの育み方」 監修 中川信子 NHK出版 編 2010年発行