今日は、私自身にも耳が痛いお話です。
2000年代、母親と視線を合わせることができない言葉が出ないという主訴で小児科外来を受診することが増えました。
受診したのは、市販の学習教材やビデオを使って勉強をしたり、テレビを1日何時間も視聴したりしている子ども達でした。
そのことから2004年日本小児科医会が提言を出しました。
日本小児科医会による子どもとメディアの問題に対する提言
1) 2 歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2) 授乳中,食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3) すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1 日 2 時間までを目安と考えます。
4) 子ども部屋にはテレビ,ビデオ,パソコンを置かないようにしましょう。
5) 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルー ルをつくりましょう。
長時間のメディア視聴は乳幼児の言語発達の妨げになることが分かってきています。
1人1台スマホがある現代、子どもが退屈な時間に利用できる動画サイトや幼児用アプリは育児の必須アイテムですよね。
DVDやインターネット、アプリを利用する際には子供と一緒に使う事でそれを会話のきっかけにしていけるといいですね。
メディアの視聴を減らすだけでなく、コミュニケーションをとりながら視聴することで、絵本の読み聞かせと同じ様に子どものことばを増やす効果があるようです。しかしそれ以上に「やりたい」という気持ちを伸ばしていく外遊びやお手伝い、自分の身の回りのことをする経験や、親子で過ごす時間を大切にすることは「ことば」を育てていくためにとても重要なことです。
なにより、楽しい経験のなかで、子どもが“リアルタイム”に知りたい事に答えてくれて、感じている事を言葉にしてくれるのは、身近な大人でないとできないことです。
子どもの「ことば」は、生活の中でお父さんお母さんと体を動かしたり一緒の活動をしたりすること、視線や身振りも合わせて言われている事を理解すること、大好きな大人に伝えたいという気持ちを表現することで、育っていきます。
次回は、ことばの3つの要素について書かせていただきます。
引用、参考HP
日本小児医師会 子どもメディア委員会
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