ことばがまだ出ていない小さな子でも楽しめる遊びに「いないいないばー」があります。
顔を手で隠して、顔を出す。
たった、それだけの単純な遊び。
赤ちゃんの遊びですが、言葉の発達に大切なことが詰め込まれた遊びなんです。
「いないいないばー」は
自分という存在に気づき、大人との視線を交わすことが出来るようになってくること、そして隠れているものがそこにあり続けることが分かることが大前提となります。
「いないいない」と聞くと遊びが始まることを期待します。
手で隠れて顔が見えなくても、手の後ろには大好きな人の顔があることが分かっているから顔が出てくることを予期して、同じ場所を注視し続けることが出来ます。
さらに、期待し予期したことが実際に起きたことで楽しいと思う事が出来るのです。
他にも、こどもが顔を隠している大人の手に自分の手を伸ばして顔を見せる事を要求するやり取りをいれてみたり、いないいないばーをする人が変わったり、隠れているものをぬいぐるみにしてみたりバリエーションを付けても楽しめるようになります。
「いないいない」と言うと遊びの始まりの合図で大人の顔を見る。
↓
顔を手で隠す。
↓
顔が出てきて終わり。
という一連のルールを理解できるかも、この遊びを楽しめる要素になります。
これらの事は全部、もっと大きくなって誰かと会話を楽しむ為に必要な能力の一部です。
「いないいないばー!」
たったこれだけのやり取りに、こんなにたくさんの事が詰め込まれているのですから
日常の生活の全ての事、何気ないやりとりや遊びにも沢山の言葉を発達させていく為に必要なことが散りばめられています。
講話でもお話させていただいていますが、普段の生活の中で丁寧な声掛けと色々な体験を親子や園などで積んでいけるといいですね。
参考文献:
竹田契一,里見恵子,子どもとの豊かなコミュニケーションを築く インリアル・アプローチ,1994
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