指差しやバイバイなどが出来るようになり、言えることばも「ぱぱ いった」等、ことばをつなげて話せるようになってくると、しきりに指さしをしながら「これ?」「これ何?」と同じ質問を繰り返しされるようになります。
子どもによっては心配になるくらい。一日に何度も同じ物を指差し「これは?」「これは?」「これは?」と聞いてくることもありますよね。
物の名前が長くて、うまく聞き取れないでいることもあるかもしれません。
「これは?」と聞くと大人がいつも同じように答えてくれるという繰り返しのやり取りをして楽しんでいるという場合もあります。
他にも、子ども達の「これは?」には
「これの名前は?」
「これの使い方は?」
「これは、何をするもの?」
「これは何色?」
「これは誰の?」
「これは〇〇であってる?」
「これで遊んでいい?」等
色々な質問が隠れている事があります。
また、お父さんからは「トラック」と教えてもらったのに、お母さんは「ダンプカー」と教えてくれた。
という事があれば「これはトラックじゃないの?」と確認しているのかもしれません。
少しずつ、会話も楽しめるようになってくる時期なので
「これは何?」という質問に「これは、何だと思う?」と質問を返してみても、やり取りを楽しんでくれるかもしれません。
ただ、「これは何か言ってごらん。知ってるでしょ」等テストするようなことや言えるか試すような言い方はしないようにしましょう。
まだまだ「これは?」と単純な聞き方しかできない段階だとしても、身近な大人が状況や視線等から知りたいことを想像して応えてくれることでことばの数を増やしたり、意味を知ったりしていきます。
質問攻めが始まるころは、話しことばだけでのコミュニケーションが難しく単語と身振りを組み合わせた表現なども多く見られます。
子どものことばだけでなく、何を言おうとしているのか、何を知りたいと思っているのかを指差しや身振り、視線にも注目してあげながらコミュニケーションができるといいですね。
参考文献
監修中川信子,ことばの育み方, NHK出版, 2010
堀彰人(2017),幼児期のコミュニケーションの発達-会話における「明瞭化要求」を中心に‐