今回は要求することについてのお話です。
要求はコミュニケーション発達の初めの段階にみられる重要な能力です。
要求には、意欲(~したい気持ち)が伴います。1歳頃から興味の幅が広がり、
2~3歳になると、「~したい」気持ちが増え、たくさん要求するようになります。
要求の多いこどもとはやりとりの回数も増えますよね。
こどもの要求が少ない、自発的な言動が少ないことを心配されている方は、
日常場面で理解できている状況をあえて不完全な状態にして、こどもがどんな反応をするか、様子をみて(観察する)はどうでしょうか?
要求方法は指さしでもことばでもOK。こどもの意図をよみすぎず、要求がでるのを待ってあげることがポイント。
とはいえ、気持ちが強すぎるとお互いに待てないことはあります。
こども「!!…。ママ」
ママ「なに?」
こども「(スプーン)ない。」
ママ「ないね?スプーン?」
こども「うん。」
ママ「スプーンいる?」
こども「スプーンちょうだい。」 (ジェスチャーでも問いかけに反応すればOK)
ママ「よく気付いたね。教えてくれてありがとう。(スプーン)取ってくるまで待っててね。」
こどもの自発的な気づきや言動を褒められる、要求が達成されることが良い経験となり、次の活動力Upへとつながることがあります。
ことばに限らずにいろんな要求や返答することを目標にこども自身が考える、大人は要求を待つなどの状況をつくって楽しくやりとりしてみてください。
参考書籍:
湯汲英史,子どもが伸びる関わりことば26 ー発達が気になる子へのことばかけ,2006
湯汲英史,小倉尚子,一松麻実子,藤野泰彦,発達障害のある子どもと話す27のポイント わかりたい気持ちを高めるために,かもがわ出版,2011