令和3年度 第2回 フォローアップ研修

令和3年度 第2回フォローアップ研修を7月2日(金)10:00~12:00

 201研修室で行いました。

「災害時乳幼児支援」

日本赤十字社 講習担当主幹 村上礼子氏
研修会の前日,夜中に雨が降っていて,真備の西日本災害を思い出しました。そして研修会当日,2018年7月6日の真備の様子が映し出された時は,水害の怖さを再確認しました。参加してくださった方の中には被災された方もおられ,辛い気持ちを思い出された事と思います。しかし,今日の研修は,これからの災害に向けて勉強しておかなければいけないと実感しました。

1,災害とは

様々な立場(高齢者,妊産婦,障害者,外国人,乳幼児など)の人たちがいる避難所生活

災害への備え(被害を小さくするための大きな力)

第一に自分の身は自分で守る自助

次に地域の人々の助け合いによる「共助

最後に行政などが行う「公助

災害に備え自分の身は自分で守るため,日ごろから非常持ち出しの準備,避難場所,避難経路,家族との連絡方法などの確認が必要です。

*実際に被災された真備の方が,携帯電話のバッテリー,ビニール袋,ティッシュが必要だと言われてました!

2,支援の必要性と気をつけたいこころとからだのサイン

乳児・幼児・・・こころとからだに多くのストレスを受ける。

発熱,下痢,腹痛,食欲不振,痒み,夜泣き,一人になるのが怖い,音に敏感,夜尿,無表情,どもる,体温体調,脱水症状,おむつかぶれ,アレルギー,ぜんそく,感染症など。

<対処法>「大丈夫よ」と言葉と態度で。赤ちゃん返りを叱らない。遊び場,お手伝いの場所作り。スキンシップ。話をよく聞く。話すきっかけを作る。

保護者・・・保護者も被災者。こころとからだにストレスを感じてます。

不眠,食欲不振,興奮,声が大きい,不安感が強い,落ち着かない,動悸,息苦しい,ぼんやりしている,反応がない,怯えているなど。

<対処法> 親身に話を聞く,むやみに励まさない,頑張りを認める,子どもの変化や保護者の不安,無気力などのこころの反応は「正常な反応で心配ない」ことを伝える。

3,心地よく生活するために

身近にある,レジ袋で代用オムツ,バスタオルで抱っこする方法を教えてもらいました。ホットタオルを実際にやってみました!

☆レジ袋で代用オムツ          ☆バスタオルで抱っこする方法

 

 

 

 

ホットタオル

          首を温めると気持ち良いよね

*ホットタオルは,ビニール袋にタオルを入れお湯を100㎖入れるだけ。首を温めたり,体を拭くことが出来ます。

*正しい手洗い方法を動画で観ました。丁寧に擦り,流水でよくすすぎましょう!

4,災害時に乳幼児や保護者を支援する周りの人々

優しい笑顔と声掛けは子どもに安心感を与えます。できることは何かを考えて行動することが大切です。からだに直接触れることで,温かい手の温もりが伝わり,癒されます。(でも,今は新型コロナ感染症のためタッチングが出来ないですね…)

5,乳幼児特有の必要品など

非常持ち出し袋はできるだけコンパクト(5キロを目安に)にし,保管場所はみんながわかる場所にして乳幼児特有の必需品があるので,日頃からの準備が必要です。

<まとめ>

〇子どもは心身の特性上,災害の把握や避難行動,避難生活に支障を要する。心身の変化が大きい時期であり,その時期に応じた支援が必要である。

〇子どもは自分の気持ちを十分言い表せないため,周囲の大人がはやめに子どもの気持ちに気づくことが必要である。

保護者を支援することは子どもを支援することに繋がる。

<サブ・リーダーNさん感想>

3年前の西日本豪雨,避難所の様子,浸水した屋根,町の様子等を思い返しながら講習を受けました。身近に災害に遭った乳幼児はいませんでしたが,ストレスによりどれほどこころとからだのサインが表われていたのだろうと思うと,心苦しくなると共にあって欲しくないですが,もし,そのような事に直面した時は,少しでも心安らぐ支援が出来ればと思いました。講習では,レジ袋,タオルを使った緊急時のオムツの作り方や,バスタオルを使って抱っこする方法を実演していただき,支援の仕方を学びました。又,心地よく生活するための一つの手段として,ホットタオル作りも体験し,手軽にリラックス出来る方法が知れ,とても勉強になりました。まずは,自分の身は自分で守る「自助」の大切さ。非常持ち出し袋の準備等改めてみなおして行きたいと強く感じた講習でした。